インドネシア:2023年GDP成長率5.05%、2024年も5%以上の成長を期待
<国内情勢>
2月にインドネシア中央統計局が、2023年の実質GDP成長率を前年比5.05%と発表した。コロナ渦以降2年連続で5%以上の成長となる。また、2月14日に行われたインドネシア大統領選挙によって、ジョコ・ウィドド前大統領の路線継承を公約に掲げたプラボウォ氏が新大統領に、ジョコ・ウィドド前大統領の長男ギブラン・ラカブミン氏が副大統領に選ばれたことで、2024年も5%以上の成長が期待されている。
<企業の採用動向>
2024年の1~3月期は大統領選挙の影響で、通年に比べ企業の採用活動が鈍化した。これは、新大統領の施策が明らかになるまで、市場の同行を把握したいという動きによるものだ。日本人の採用に関してもこ
の傾向は見られ、採用プロセスが通常より長くなる場合や、3月末まで採用活動をペンディングするといった動きもあった。
IT、FMCG(消費材)といった業種は変わらず多くの求人をオープンにしているが、首都移転に伴った新首都建設にかかわる建設業や関連業種に関しての採用活動はまだ慎重になっている。
<求職者の動向>
インドネシアでは法律で定められている宗教ボーナスが3月に支給されるため、ボーナス支給後に多くの求職者が転職活動をスタートする。日本人に関しては、日本在住の候補者は年度末を転職のタイミングとして考えていることが多く、1~3月は活発に活動している。
インドネシア在住の候補者に関しては、インドネシア人と同様に宗教ボーナスの支給を待って転職される方がいるため、3月以降に増えてくることが予想される。また今年の特徴として、4月の卒業後の就職先を探して活動する大学生が増えた。
JAC Recruitmentインドネシア法人アソシエイトダイレクター
山下冬馬氏
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ベトナム:ベトナム経済全体に回復の兆し。今後の継続成長にも期待
<国内情勢>
ベトナム統計総局(GSO)の発表によると、2024年1~3月期のGDP成長率(推定)は前年同期比+5.66%となり、前同期として直近4年間で最高となった。特にサービス、工業および建設セクターで高い成長率を遂げている。
サービスセクターは柔軟なビザ政策と観光促進プログラムによって観光業が回復したことに起因している。また、開発投資分野では、1~3月期の社会全体の実施投資額は前年同期比5.2%増となり、国内の多くの業界・分野で生産およびビジネス活動の回復傾向が見られた。
<企業の採用動向>
1~3月期は旧正月やボーナスのタイミングとなるためローカル人材の流動性が落ちる時期となり、今年も同様の傾向が見られた。例年、旧正月明けの4~6月期は年間で最も候補者の流動性が高まる時期となり、欠員補充、増員問わず採用ニーズは高まってくるものと思われる。
特に1~3月期に成長がみられた半導体産業などの製造業や建設業は採用活動が活発になるのではと予想する。日本人の採用市場については、現地支社の運営ローカル化を目指した企業からの相談が増加しており、今後駐在員から現地採用への切替えニーズが増えてくるものと予想されている。ただし、労働許可証取得プロセスに不明瞭な点が多く、引き続き今後の動向を注視する必要がある・
<求職者の動向>
ローカル人材の転職活動については、例年通り活動状況は鈍化傾向にあるが、旧正月明けから上半期にかけて活動が活発になると想定される。日本からベトナムへの海外転職希望者数については、依然としてやや低調。他国に比べ定年による転職機会の制限が少ないため、シニア層の海外転職希望は相変わらず強く、アクティブに活動している方が多い印象だ。
一方、ジュニア・ミドルクラスにおいては、足元の日本の経済状況などから海外就業を希望する潜在層は増えているが、待遇面などの理由から慎重になる方が散見される。
JAC Recruitmentベトナム法人Regional Director
トゥ・ハー・グエン氏
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