睡眠と生活習慣
次に寝る前の習慣に関する調査では、睡眠の質が高い群と低い群で比較した結果、睡眠の質が高い群では睡眠の質を阻害する習慣を実施する頻度が少ないことが明らかとなった。
顕著な差が見られた項目が下記の4点となる。
・就寝前にコンピューター、スマホ、タブレットの画面を見る
・テレビやライトをつけたまま眠る
・就寝前にお酒を飲む
・いつも異なった時間に就寝する
睡眠計測による行動変容の効果
ブレインスリープでは睡眠を計測するウェアラブルデバイス「ブレインスリープ コイン」を2022年10月より一般販売している。ブレインスリープ コインは睡眠を計測するたびに「スリープ コイン」が貯まり、会員ランクが上がる。そこで会員ランク毎の睡眠スコア「スリープ スコア」を比較した結果、会員ランクが高い(計測回数が多い)ほど、スリープ スコアが高いことがわかった。
さらに今回の調査ではブレインスリープ コインを利用し始めてからの変化についてユーザーにヒアリングを行った。その結果、多くのユーザーがブレインスリープ コインでの計測を始めてから朝の気分がプラスになったことがわかった。
また、今回アンケート調査に協力した人で自身でも睡眠の質の改善を実感している人のスリープ スコアの変化を見てみると、計測を続けることで次第に睡眠の質に重要な寝始めの90分の深い睡眠の割合が増加していた。
これらの結果から、睡眠計測を行うことが自身の睡眠状況を把握し、その結果に基づいて行動を変えることで睡眠の質が改善された可能性が考えられる。
西野精治氏コメント/ブレインスリープ最高研究顧問、『スタンフォード式 最高の睡眠』著者
世界一眠れていない日本の平均睡眠時間は、少しずつではあるが増加傾向にあります。「睡眠の質」に関する注目度も高まっており、睡眠の質を改善するためのプロダクトも多く販売されていますが、まだ睡眠の質の改善傾向は認められていません。
2019年4月1日から順次施行されている「働き方改革関連法」は、世界的に見て低水準である日本の労働生産性の改善を目的の一つとしていますが、ブレインスリープの調査では“睡眠時間が長い人”ではなく“睡眠の質が高い人”の方が生産性が高い傾向にありました。
また睡眠の質が高いとモチベーションが高い傾向も見られ、経済利益のみならずウェルビーイングの観点からも睡眠の質改善に取り組むことは重要であると言えます。個人だけでなく、企業や社会全体で睡眠に対する意識を高め、睡眠の質を上げることで日本全体がより良い方向に向かうと信じています。
●睡眠偏差値調査とは
ブレインスリープが2020年より毎年1月に全国47都道府県の1万人(性別・年齢・都道府県で割付)を対象として実施している睡眠調査。
●ブレインスリープ コインとは
睡眠研究により蓄積されたデータを元に独自の計測アルゴリズムを開発した計測ウェアラブルデバイス。アプリとデバイスを併用することで寝姿勢に合わせたよりパーソナルな分析が可能。
出典元:株式会社ブレインスリープ
構成/こじへい