睡眠医学に基づいた確かな知見と先進のテクノロジーを掛け合わせ、脳と睡眠を科学する企業「ブレインスリープ」。同社は2019年の設立以来、睡眠ソリューションカンパニーとして「睡眠の質」の重要性に着目し、睡眠の質を向上するための商品やサービスの提供、正しい情報発信を行ってきた。
その5年間で「睡眠偏差値調査」をはじめ日本における様々な睡眠データの収集を行っており、今回「睡眠の質」が生産性や経済損失額、モチベーションへ影響を与える可能性があることがわかった。
また睡眠計測をすることで夜間の睡眠の質の向上にとどまらず、翌日のモチベーションアップや日中の活動量の増加に寄与する可能性が確認された。詳細は以下の通り。
日本における睡眠の現状
2024年の有職者1万人を対象とした「睡眠偏差値調査2024(以下「本調査」)」において、日本における平均睡眠時間は6時間50分と、過去5年の調査において最も長い時間となり、調査開始時の2020年と比較すると23分睡眠時間は増加している。しかし、依然としてOECD加盟国の平均睡眠時間である8時間28分と比較すると著しく短く、日本の睡眠は世界でも最低水準であると言える。
一方、平均睡眠の質スコアはほぼ横ばいで推移しており、睡眠の質の改善は進んでいない状況だ。
睡眠と仕事の関係性
本調査において、睡眠が生産性に影響を与えていると感じているかの設問に「強く影響している」と回答した人は20.4%、「影響している」と回答した人は49.6%と全体の70%の人が睡眠と生産性の関連性を感じていた。
この結果から睡眠は単なる休息ではなく、日中のパフォーマンス向上に不可欠であるという認識が広まっていることがわかった。
本調査では、睡眠の質は生産性と相関が見られ、睡眠の質が高い人は生産性が高い傾向にあった。一方、睡眠時間には生産性との明確な相関は認められなかった。
同様に経済損失額についても、睡眠の質は相関が見られる一方、睡眠時間には相関が見られなかった。
また、メンタルヘルスと長時間労働の関係性が注目されているが、近年の研究によれば、長時間労働が直接的なメンタルヘルス悪化の原因ではなく、むしろ長時間労働による睡眠不足がメンタルヘルス悪化の原因となっていることが報告されている。
本調査では睡眠と残業時間に関して調査をしたところ、睡眠の質が高いAランク群は残業時間0時間未満の割合が66%と高く、ランクが下がるほどその割合が低下することがわかった。残業時間と睡眠の質には相関があることがわかる。
さらに「仕事に行くのが憂鬱と感じた日数」に関する設問では、睡眠の質が低いDランク群は仕事が憂鬱と感じている日数が長く、週5日以上と回答した人は35%、それに対して睡眠の質が高いAランク群は70%の人が週0日という回答となった。
これらの結果から「睡眠の質」がメンタルヘルスに対しても影響を与えている可能性が示唆される。