管理職へ転職した人の特徴(非管理職転職者との比較)
調査対象者15,014名のうち1,005名を対象に追加調査を行い、そのうち「管理職へ転職した人(531名、以下管理職転職者)」と「非管理職へ転職した人(344名、以下 非管理職転職者)」を比較することで、管理職に転職した人の特徴を明らかにした。なお、管理職転職者は、係長相当以上への職位への転職者、非管理職転職者は一般社員、もしくは、主任相当職位への転職者を指す。
管理職転職者、非管理職転職者それぞれに転職前後の年収を尋ね、年収は年代による差が大きいことから、年代別に比較した。その結果、管理職転職者の転職前の年収は30代で平均606.1万円、現在の勤務先に転職を合意したときの年収は平均659.0万円という結果になった。
転職前後で年収が平均52.8万円アップしている。40代では、転職前の年収は平均671.1万円、転職合意時の年収は平均731.1万円であり、平均60.0万円のアップとなった。30代は平均8.7%、40代は平均8.9%給与アップ(賃上げ)していることがわかった。
一方、非管理職転職者では、30代で転職前の平均年収が443.0万円、転職合意時の平均年収は448.1万円で、平均5.1万円アップ(平均1.2%アップ)となった。40代では転職前の平均年収が474.0万円、転職合意時の平均年収は482.2万円で、平均8.2万円アップ(平均1.7%アップ)だった。管理職転職者のほうが、非管理職転職者よりも、転職による給与のアップ率が高い傾向にあることがわかる。
転職後の満足度について、「総合的な満足度」「給与」「裁量・責任範囲」「仕事のやりがい」「職場の人間関係」「ワークライフバランス」「仕事の面白さ」の7項目で尋ねたところ、すべての項目で管理職転職者は非管理職転職者よりも、満足している人の割合が高い結果となった。
特に満足している割合に差があったのは、「仕事の面白さ」で、管理職転職者の65.7%が満足している(「満足している」と「やや満足している」の合計)と回答したのに対し、非管理職転職者では51.2%にとどまり、14.6ptの差があった。
ついで差が大きかった順に、「給与」(管理職転職者の62.1%、非管理職転職者の48.5%が満足しており、13.6pt差)、「仕事のやりがい」(管理職転職者の65.2%、非管理職転職者の54.1%が満足しており、11.1pt差)という結果となった。
また、「ワークライフバランス」に関しても、大きな差はなかったものの、管理職転職者の64.8%が満足しており、非管理職転職者61.9%を上回る結果となった。
なお、管理職転職者に、転職後に勤務時間が増えたかどうかを尋ねたところ、27.1%が「労働時間が増えた」、50.8%は「あまり変わらない」、22.0%が「労働時間が減った」と回答しており、7割以上(72.9%)は労働時間が増加していない(変化なし、もしくは減少)ことがわかった。
これらの結果から、管理職の採用を進める企業は、求職者に対して自社の管理職のワークライフバランスや新たに身につくスキルや、どういった機会があるかなどをアピールすることも重要であると考えられる。
<「管理職への転職に関する調査」概要>
調査主体:Indeed Japan株式会社
調査方法:インターネット調査
調査期間:2024年2月21日~2月26日
調査対象:現在就業中の20~59歳で、現在正社員として勤務しており、直近5年以内に転職活動(応募)を行った男女計15,014名。そのうち、男女1,005名を対象に追加調査(本調査)を実施。追加調査(本調査)対象者の内訳は以下の通り。
1. 管理職求人に応募し、オファーが出て管理職ポジションに転職した人(531名)
2. 管理職求人に応募し、オファーは出たが管理職として転職しなかった人(146名)
3. 管理職求人に応募したが、管理職ポジションのオファーが出なかった人(93名)
4. 非管理職ポジションにのみ応募した人(235名)の合計1,005名を対象に調査を実施した
補正:「令和4年就業構造基本調査」を元に、正社員の性年代構成比にあわせて補正
(※なお、追加調査(本調査)は本補正を行っていない。)
※構成比(%)は小数第2位以下を四捨五入しているため、合計が100%にならない場合や、少数第1位までの計算とは数値が異なる場合がある。
出典元:Indeed
構成/こじへい