4月は多くの企業が新年度を迎え、新入社員が社会人生活をスタートさせる時期だ。新たな環境に期待して入社し配属されるものの、業務内容や働く環境についてギャップを感じたり、職場の文化やルール、仕事への取り組み方について考えさせられたりする新人社員の人も多いのではないだろうか。
コロナ禍でテレワークを導入する企業が急増し、ビジネスの連絡手段が様変わりした2021年3月、fondeskは「職場の電話対応の実情」に関するアンケート調査を実施したところ、62.8%の人が「会社への電話を不要と感じることがある」と回答し、特に新入社員の人が、会社への電話を不要と感じている割合が高いことが判明。
一方で「会社への電話は自分が出なければならない」と電話対応に対しての義務感を抱えている人が63.3%いることも明らかになり、こうした“年齢や肩書によって電話対応を押しつけられる状態“を、fondeskは新しい職場ハラスメントとして捉え、「TELハラ」と命名した。
調査から3年が経ち、テレワークからオフィス回帰やハイブリッド勤務等、各企業で働き方の多様化が進んできているが、オフィスの電話対応業務に変化はあったのだろうか。
電話代行サービス「fondesk」は、8都府県(埼玉県、東京都、千葉県、神奈川県、愛知県、京都府、大阪府、兵庫県)に勤務しており、直近3年間のうち会社・部署の代表番号への電話を受けたことがある20~59歳のビジネスパーソン400名を対象に「社内の電話対応業務に関する実態調査」を実施した。
会社への電話対応業務にストレスを感じる理由1位は「業務が中断されるから」
自身が会社・部署の代表番号への電話(以下「会社への電話」とする)を受けている、1日あたりの「時間」について質問したところ、5割近く(47.0%)が「10分以内」という結果に。
実際に対応している会社への電話のうち、何割が営業の電話であるか聞いたところ、「1~2割」と回答した人が3割(33.5%)を超えていた。
会社への電話対応業務に「ストレス」を感じるかについては、75.3%と7割を超える人が「ストレスを感じる」ことが判明。
「会社への電話対応業務にストレスを感じる」と回答した人に、ストレスを感じる理由について質問したところ、「業務が中断されるから」が4割(42.9%)を占め、次いで「電話の取り次ぎが面倒だから」(33.2%)という結果に。
年代別にみた場合、「電話を受けることに緊張するから」と回答した40代(13.2%)と50代(3.9%)に対して、20代(23.1%)と30代(25.6%)が高い。
また「ビジネスシーンにおける電話対応の仕方がわからないから」と回答した40代(5.9%)と50代(2.6%)に対して、20代(12.8%)と30代(16.7%)が高い結果から、若手ビジネスパーソンが電話対応自体に対する抵抗があることが分かる。
「会社への電話対応業務にストレスを感じる」と回答した人に、営業の電話など、社外からの問い合わせ電話はどのような方法に切り替えたら便利だと思うか質問したところ、「メール」が6割近く(59.1%)にのぼっていた。
次いで4割(40.5%)がLINE、chatwork、Slackなどの「チャットツール」を選択しており、テキストベースでのやり取りが上位を占めている。
年代別にみると、「メール」については30代(61.5%)・40代(60.3%)・50代(61.0%)が6割を超えるのに対して20代(53.8%)は5割程度に留まっていた。
「チャットツール」は20代(50.0%)・30代(47.4%)・40代(42.6%)が4~5割を占めるのに対して50代(22.1%)が2割程度に留まるなど、世代間でのツールに対する利便性の感覚の違いが明らかに。
仕事を進める上で、あなた自身が“会社への電話”を受けることは必要だと感じるか質問したところ、6割以上(61.6%)が「必要だと感じる」と回答。
年代別にみると、40代(57.0%)・50代(54.0%)と比較して、20代(67.0%)・30代(68.0%)の若手が必要だと感じる人が高い傾向にあるようだ。
「仕事を進める上で、あなた自身が“会社への電話”を受けることは必要だと感じる」と回答した人に、その理由について質問したところ「会社への電話を受けることも自身の業務だから」が4割(40.2%)を超える結果に。
年代別にみると、「自分が電話に出ないといけない職場の空気や慣習があるから」と回答したのは、20代(41.8%)・30代(42.6%)が4割を超えるのに対して、40代(24.6%)・50代(24.1%)は2割超えに留まる。
一方で「新人(若手)社員の仕事だから」と回答した20代(26.9%)が3割近くいるのに対して50代(5.6%)は1割にも満たないことから、年代間で捉え方にギャップがあり、若手社員が特に義務感を強くもっていることもわかった。