「エンパワーメント」の導入手順
エンパワーメントの導入は、企業の上層部が中心となって実施します。従業員は、エンパワーメントの目的や本質を理解するように努めなければなりません。社内への周知から実行までの、大まかな流れを確認しましょう。
■責任者が「エンパワーメント」推進を周知する
前提として、企業の最高責任者をはじめとする上層部がエンパワーメントの導入に合意している必要があります。上層部で合意形成が行われた後は、社内への周知を行います。
- エンパワーメントの目的・経緯
- 導入によって得られるメリット
- 従業員への影響やデメリット
- どのような心構えや行動が求められるのか
- 全体の流れとスケジュール
単なる権限委譲で終わらないように、導入の目的や経緯、従業員に求められる心構えや行動などをしっかりと説明することが重要です。
■従業員が「エンパワーメント」推進を受け入れる
エンパワーメントの導入を決めるのは企業側ですが、実際に実行するのは従業員です。従業員がエンパワーメントの重要性を理解して初めて、エンパワーメント推進のスタートラインに立てます。
多くの企業では、エンパワーメントへの理解を深めるために、面談やディスカッション、勉強会などを設けています。従業員は、この機会に疑問点や不安な点を遠慮なく相談しましょう。
エンパワーメントをうまく機能させるためには、組織内の心理的安全性が保たれていなければなりません。上司と部下の相性が悪かったり、職場の人間関係がこじれていたりすると、導入後にさまざまな問題が生じます。まずは、失敗を許容できる職場づくりを目指す必要があるでしょう。
■情報公開後に権限委譲や権限付与をしてもらう
権限委譲の前に、企業による情報公開を行います。権限が委譲されても、企業側が多くの情報を非公開にしていれば、従業員は適切な意思決定ができません。共有される情報には、企業の方針や戦略はもとより、経理情報や人材情報も含まれます。
権限委譲は、段階的に行われるのが一般的です。いきなり大きな権限を与えると、判断ミスしたときの損失が大きい上、従業員はプレッシャーを感じます。スモールステップで成功体験を積むのが望ましいでしょう。
部署間や個人間での摩擦が生じないように、権限を与える側は『権限の範囲』を明確にします。
■従業員が主体性を持って行動する
エンパワーメントの目的は、従業員の能力を開花させ、自分の頭で考えて行動できる自律型人材へと変えていくことです。これまで指示に従ってきた人にとって、権限の行使は容易なことではないため、上司はあらゆる場面で部下をフォローする必要があります。
ただし、あまりにも干渉しすぎると、名ばかりのエンパワーメントになってしまいます。
本人の主体性が発揮されるように、適切な距離感を保つようにしましょう。面談では、目標の達成具合を確認するとともに、成功した理由や失敗した原因、今後の改善策などを自分の頭で考えるように促します。
個人や企業を成長させる「エンパワーメント」
ビジネス環境が急速に変化する現代、従業員一人一人の迅速な意思決定が求められています。これまでは、管理する側と管理される側が明確に分かれていましたが、今後はエンパワーメントが機能する組織が勝ち残る時代が到来するといっても過言ではありません。
エンパワーメントの導入は、企業はもちろん、従業員にも多くのメリットがあります。権限が与えられ、能力が開花することで、仕事へのやりがいが生まれるはずです。個人・企業に大きな成長をもたらすエンパワーメントの重要性を、いま一度考えてみましょう。
構成/編集部