裁判所のジャッジ
裁判所
「妻からの離婚請求を認める」
■ 基礎知識
今回は夫の性癖が異常すぎたため、裁判所が「婚姻を継続し難い重大な事由がある」と判断しました。以下の条文です。
民法 第七百七十条
夫婦の一方は、次に掲げる場合に限り、離婚の訴えを提起することができる。
一 配偶者に不貞な行為があったとき。
二 配偶者から悪意で遺棄されたとき。
三 配偶者の生死が三年以上明らかでないとき。
四 配偶者が強度の精神病にかかり、回復の見込みがないとき。
五 その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき。
しかし!「婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」に該当するケースは少ないです。
こういうものでは認められません → 夫婦の性格の不一致、親族との不和、経済生活上の不満など。なぜなら、夫婦の今後の協力によって解決できる可能性のある事柄だからです。
今回の男性裁判官は「今回のセルフエロは改善する見込みなし」と判断したのでしょう。
▼ 慰謝料
――奥さんは慰謝料もいただきたいと?
妻
「はい。婚姻が破綻した原因は夫の異常な行為にあるからです。500万円を請求します」
――それはデカすぎるでしょ……。裁判所さん、100万くらいですよね?
裁判所
「500万円まるまる認めます。婚姻の破綻の専らの原因は夫にあるからです。諸般の事情を考慮すれば500が妥当です」
500万円……、かなりデカイですね。裁判が行なわれた昭和60年当時のビニ本にあたるのは、今のエロ動画でしょう。スマホ片手に部屋に閉じこもっていると、妻から500万円を請求されるかもしれませんよ!
ほかの旦那(異常性癖)の裁判例
今回は妻との性交渉を拒否したケースですが、真逆に、異常なプレイを強要した夫のケースもあります。性交渉のときにいつも妻に靴を履かせていた事件です。裁判所は「異常な性交方法だ」とブチギレ、妻からの離婚請求を認めました。くわしくはコチラ。
「夫が夜の営みで靴を履かせてくるんです…」アブノーマルなプレイを強要する夫との離婚請求を裁判所は認めたか?
こんにちは。 弁護士の林 孝匡です。 宇宙イチ分かりやすい法律解説を目指しています。 ―― なぜ離婚したいんですか? 妻 「夫が夜の営みの時に、靴を履かせてくる...
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取材・文/林 孝匡(弁護士)
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