厳しい非難もあった二足のわらじ
番組で対局を見ていた日本プロ麻雀連盟からプロにならないかと誘われた時、岡田さんは迷っていた。当時はまだ麻雀に対するイメージは良くなかったので、芸能界の仕事が減るのではないかと心配したのである。「モデルとして売れなかったから麻雀プロになったとか、その逆でモデル活動のために麻雀を利用しているなど心無い声もありました」と当時を振り返る。
「世間の声だけではありませんでした。麻雀業界の中にも実力がないのにモデルだからプロになれたとか、芸能人だから優遇されているなどと揶揄する人も一定数いたからです。業界の内外の板挟みになり、つらい思いをしました」と正直だ。それも岡田さんがコツコツと実力をつけていくにつれ、少しずつ周りが変化してきた。
まず麻雀に対するイメージが、Mリーグの発足後、大きく変化した。何より岡田さんに憧れる若い女性の麻雀ファンが増えてきた。勝ち続ける強く美しい姿を見せてくれるだけでなく、試合の内容自体が美しいという声が寄せられるようになったのである。「モデルだからと揶揄されたり、たくさんの挫折も体験しましたが、今となってはそれらはすべて現在の自分の糧になっています」と言う。
好きだから続けられること
岡田さんが挫折を乗り越えられたのは、「麻雀が好きだから」というたった一つの理由だった。岡田さんによると、麻雀は負けがこんでいても、やり続けていたら絶対に勝てる時があるという。さらに試合の瞬間ごとに細かく勝ち負けがあるので、いつだって刺激的で、それが楽しくてならないのだとか。
「私は麻雀に関してモチベーションを失ったことがありません。どれだけ下手を打っても、勝てる時がある。勝てば、自然とモチベーションが上がります。負けても何かいい戦略はないのかとむしろ勉強の意欲がわいてきて、もっと頑張りたくなる。麻雀の勉強を辛いと思ったことはほとんどありません」と言う。
将来の目標は猫を飼いたいという以外、特になく、10年後も麻雀をしていたいという岡田さん。愛されキャラは新刊書に寄せられたMリーガーたちからのコメントでも伝わってくる。強くて可愛いという、この世で最強の二つを兼ね備えた女性の魅力を、ぜひあなたも感じて欲しい。
岡田紗佳 OKADA SAYAKA
1994年2月19日、東京都出身。
中国人の母を持ち、6歳から12歳まで中国上海で祖母と暮らす。
青山学院大学在籍中にファッション誌『non-no』の専属モデルを務め、2017年に日本プロ麻雀連盟所属女流プロ雀士に。2019年には「KADOKAWAサクラナイツ」のメンバーとなり最年少Mリーガーとなる。TVやYouTubeなど多数のメディアに出演しキレのあるトークも人気。一方でグラビアにも挑戦し”役満ボディ”の異名を持つ。国士無双13面待ちを成就させるなど伝説的な対局を見せている。新刊『岡田紗佳 1stフォトエッセイ おかぴーす!今日も私は運がいい』(KADOKAWA発刊)
X
Instagram
写真/小林真梨子 文/柿川鮎子