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40歳を過ぎてから異業種、異職種に転職する人はどれくらいいる?

2024.03.25

この年齢から異業種・異職種に挑戦するには遅すぎるかもしれない…。

そう考えているミドル層のビジネスパーソンは多いだろうが、実際のところ、40歳以上で、異業種・異職種への転職を成功させている人はどれくらいいるのだろうか?

転職サービス「doda」はこのほど、「ミドル層の異業種・異職種転職実態レポート」を発表した。本レポートは、2023年7-12月の期間に「doda」のエージェントサービスを利用して転職した個人のデータを分析し、40歳以上の転職実態についてまとめたものだ。

なお、転職前後の年収変化は、個人の転職前時点の年収と、転職を受け入れる企業が採用決定時に個人に提示する決定年収を比較したものだ。

<登録者数の推移>40歳以上の転職希望者数は増加傾向。「doda」の新規登録者数は6年で1.5倍以上に

転職サービス「doda」に新規で登録した人数の推移を、年ごとに年齢区分別で見ると、2023年における40歳以上の新規登録者数は、2018年比で1.5倍以上に伸長【図1】。他年齢区分と比較しても、最も大きい伸び率となった。40歳以上の登録者は2022年から2023年にかけて特に大きく伸びており、この1年でミドル層の転職への関心が高まっている様子が伺える。

そこで今回、40歳以上の転職実態に注目した本レポートを発表することとなった。

<異業種転職>40歳以上の転職者のうち、約65%は異業種へ転職

2023年7-12月に転職サービス「doda」のエージェントサービスを利用して転職した40歳以上の個人のうち、65.2%が異業種へ転職していることがわかった【図2】。転職者全体と比較しても割合に大きな差は見られない。

【解説】

異業種転職が多くを占める背景には、企業・個人それぞれに要因があると考えられる。

コロナ禍や歴史的円安といった社会情勢の変化を受け、多くの企業がはたらき方や人事制度、営業手法などの在り方を見直すなど変革を迫られた。加えて、収益増加のために新規事業への参入を検討する企業も増加。これにより、即戦力人材のニーズが高まった。結果、経験や知見を豊富に持つ40代以上の個人が異業種へと転職するケースが増加した。

個人については、前述のようにミドル層の活躍の場が広がっていることを受け、「これまで培ってきた知見を他の会社で試してみたい」と異業種にチャレンジする人が増えてきたことが挙げられる。

なお、ミドル層の転職先として多いのは「メーカー(機械・電気)」「建設・プラント・不動産」「IT・通信」といった、求人数が比較的多い業種だが、どの業種にも満遍なく転職していることがわかった。これは、業種を問わず人事や経理、経営企画、DX、生産性向上などの即戦力人材を求める企業が多いためだと考えられる。(doda副編集長:山口 義之氏)

<異職種転職>40歳以上の転職者の3人に1人は異職種へ転職。“経験や専門性が活かせる領域”への転職が多い

職種別で見ると、2023年7-12月の期間に40歳以上で異職種へ転職した個人の割合は34.2%だった【図3】。転職者全体と比較すると10ポイント近く少ないものの、40歳以上の3人に1人は新しい職種への転職にチャレンジしていることがわかる。

【解説】

ミドル層のうち、3人に1人は異職種転職をしていることがわかった。ただし、中身を紐解いてみると大幅な職種転換であるケースは少なく、異職種のなかでも近しい領域に転職しているのが実態だ。

これは、人材会社の営業からメーカーの人事など、職種が異なっても経験や専門性が活かすことができる、即戦力人材を企業が求める傾向が強いためといえるだろう。

このように、企業の即戦力採用の意向が強いことはもちろんだが、個人の要因も大きいと捉えている。40歳以上の場合、家庭の事情などにより転職の条件として“年収”を重要視する人がほとんどだ。

なぜなら、未経験の職種にチャレンジする場合、年収が下がる可能性が高まるからだ。企業の即戦力人材への期待値が高いここ数年のうちは、大幅な職種変換をする人は一部に限られるだろう。

一方で、「年収を下げてでも本当にやりたかった領域にチャレンジしたい」という自己実現を理由に仕事を決める人も、徐々に増えてきている。今後個人のはたらく価値観がさらに多様化すれば、微経験から異職種の転職を受け入れる企業もより増えていくのではないだろうか。

なお、40歳以上の転職者のうち、4人に1人が“異業種×異職種”転職であることも判明した【図4】。こちらも前述のとおり、経験や専門性が活かせる領域への転職が多くなっている。

具体的には、コンサルティング業界で物流領域のコンサルタントをしていた人が物流業界の企画・管理職へ転職するケースなどが一例として挙げられる。(doda副編集長:山口 義之氏)

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