性別を理由に格差が生じることを「ジェンダーギャップ」という。このジェンダーギャップを職場で感じているビジネスパーソンは、男女それぞれでどの程度存在するのだろうか?
キャリアデザインセンターが運営する女性の転職に特化した転職サイト「女の転職type」はこのほど、男女1,188名を対象に「職場のジェンダーギャップ(男女格差)」についてアンケート調査を実施し、その結果を発表した。
職場でジェンダーギャップを感じている人は女性で約7割、男性で約5割
【Q.1 今の職場にジェンダーギャップ(男女格差)はある?】
「女の転職type」会員に今の職場にジェンダーギャップ(男女格差)があるか尋ねたところ、26.1%の人が「非常にあると思う」と回答し、「ややあると思う」の43.0%と合わせると69.1%の人が「ある」と感じていることがわかった。
年代別に見ると20代では「ある」が58.6%であるのに対し、30代が70.4%、40代が74.2%と、年代が上がるにつれジェンダーギャップを感じる人が多いという結果になった。とくに40代は約3人に1人が「非常にある」と回答しており、格差を強く感じていることがわかる。
男性にも聞いたところ、職場でのジェンダーギャップが「非常にあると思う」と回答した人は17.8%、「ややあると思う」と回答した人は34.6%で、合わせると52.4%の人が「ある」と感じているという結果になった。
「ある」と感じている男性は女性と比較すると16.7%低く、とくに30代では女性よりも男性の人が22.7%も低い結果となった。男女間で認識に大きな差があることがわかった。
女性の未婚・既婚別で見ると、既婚者では72.7%の人がジェンダーギャップが「ある」と回答し、未婚の人の66.3%を上回る結果となった。
主な職種別で見ると、ジェンダーギャップを感じている職種は「営業系」で81.0%となった。次いで「事務・経理・人事系」が71.8%、「サービス・販売系」が55.6%となっている。男性の就業比率が高い「営業系」はギャップを感じやすく、女性比率が高い「サービス・販売系」は感じにくいと言えそうだ。
女性が感じるジェンダーギャップは「給与が低い」「給与が上がりにくい」
【Q.2 1年前と比べて、今の職場のジェンダーギャップは解消されている?】
女性に1年前と比較してジェンダーギャップが解消されていると思うかどうかを尋ねたところ、「変わらない」が最も多く64.0%となった。「解消されている」と感じる人は「かなり解消されている」が3.7%、「やや解消されている」が22.8%を合わせて26.5%にとどまり、ジェンダーギャップ解消がなかなか進んでいない状況が浮き彫りになった。
年代別では、「解消されている」と感じる人が20代で34.4%、30代で24.5%、40代で23.1%という結果となった。年代が上の人ほど「解消されていない」と感じているようだ。
男性にも尋ねたところ、女性同様に「変わらない」が最も多く50.8%となった。一方で「解消されている」と感じる人は「かなり解消されている」が11.2%、「やや解消されている」が26.3%を合わせて37.5%となった。女性の数値(26.5%)よりも高く、男性のほうがジェンダーギャップが解消されていると感じる人が多いという結果になった。
年代別では、20代が46.1%、30代が39.0%、40代が28.7%と、女性同様に年代が上であるほど「解消されていない」と感じる人が多いようだ。
【Q.3 「女性であること」が理由で、職場で経験したこと(感じたこと)は?】
「女性であること」が理由で職場で経験したこと(感じたこと)を尋ねると、最も多かったのは「給与が低い」で37.7%となった。以下、2位「給与が上がりにくい」が36.9%、3位「お茶出し、掃除などを任される」が33.6%と続く。「とくにない」と回答した人は21.9%にとどまり、約8割の女性が、自身の性別を理由に何らかの格差を経験している(感じている)ことがわかった。
年代別で見ると、20代の1位は「とくにない」が33.1%、30代は「お茶出し、掃除などを任される」が37.3%、40代は「給料が低い」が46.6%となった。Q.1の結果とあわせてみても、20代のうちはジェンダーギャップを感じる機会が少なく、既婚者が増える30代以降はより顕著にジェンダーギャップを感じるようになることがわかる。
その他のコメントとしては「パワハラの対象になりやすい」「研修を受けさせてもらえない」「女性の昇進や起用のために自身の能力以上の仕事が回ってくる」「産休、育休明けで社員に戻してもらえない」などがあった。