副業・兼業とセルフケア
次は副業・兼業とセルフケアの関係についての調査になる。
ちなみに2023年7月に発表された総務省「令和4年就業構造基本調査」によると、「非農林業従事者のうち副業がある人は305万人と5年前に比べ60万人増加」と報告されている。
今回の調査対象者に副業・兼業の経験を聞くと、副業・兼業経験者は26.4%だった[図13]。
■働く人の2人に1人が副業・兼業意向があり、現在副業・兼業中の人は9割以上が継続意向を持つ
今後の副業・兼業について聞くと、その意向がある割合は50.0%(ある+ややある)を占めることがわかった。副業・兼業の経験別に見ると、副業・兼業経験者では73.9%(ある+ややある)、経験がない人でも41.4%が副業・兼業の意向が「ある」(ある+ややある)と回答している[図14]。
■副業・兼業を現在継続中の人は過去にやめた人に比べて「体調管理」に気を配り、「疲れ」「ストレス」が少ない
副業・兼業経験者264人に副業・兼業をしていたときに感じたことを聞いた。すると、「疲れを感じることが多かった」(27.7%)、「自分の時間や余暇時間がとれなくなった」(25.8%)、「ついつい働き過ぎてしまった」(23.5%)が上位にランクされた[図15-1]。
これを副業・兼業を現在も継続している人と過去にやめた人で比較すると、継続している人は「体調管理・健康管理に気を配った」と回答した割合が21.6%と多く、やめた人(10.1%)より11.4ポイントも高くなっている。
この結果に呼応するように、「疲れ」は9.3ポイント、「ストレス」は13.5ポイントも、副業・兼業を現在も継続している人の方が低い[図15-2]。体調管理は、副業・兼業を長く続けるため大切な要素であることが推察できる。
■副業・兼業で大切なことは、お金の管理より「健康管理」
回答者全員に、副業・兼業をする際に気遣う大切なことについて聞いた結果、「お金の管理」(57.2%)、仕事を含めた生活全般の「時間の管理」(50.8%)を抑え、トップは「健康管理」(66.6%)となった。
現在、副業・兼業をしている人では、「健康管理」と回答した人の割合が71.6%に上り、最も高くなっている[図16]。
調査概要
実施時期/2024 年1月19日〜22日
調査対象/全国の20〜 60代の働く男女1000人
調査手法/インターネット調査
調査委託先/楽天インサイト株式会社
関連情報
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/health/
https://www.daiichisankyo-hc.co.jp/kenko-bijuku/
構成/清水眞希