MECEを用いる際に気を付けるポイント
MECEの意味や定義は理解しているものの、実際にビジネスシーンでうまく活用できる人は多くありません。MECEを使いこなす上で、注意したいポイントを解説します。
■視点と切り口をそろえる
分析対象を分けるときは、視点をそろえる必要があります。異なる視点・階層のものを並べると、漏れや重複が生じかねません。
例えば、国内の移動手段において、陸路・空路・海路は横一列の関係ですが、公共交通機関は、階層が異なります。
MECEを分析するための切り口は複数あります。視点や階層をそろえるだけでなく、異なる切り口を混在させないように注意しなければなりません。切り口を間違えると、正しい分析ができなくなり、見当違いの結果が出てしまう可能性があります。
■MECEは手段であることを意識する
MECEはあくまでも情報を整理するための手段であり、目的ではないことを肝に銘じましょう。情報の分類自体が仕事になってしまい、問題解決や目標達成という真のゴールを見失ってしまう人は少なくありません。
対象を深く掘り下げすぎると、時間や労力が費やされるだけでなく、複雑で分かりにくくなる傾向があります。細部まで完璧に分類するのではなく、重要な事項を漏らさないことと、重複させないことに意識を向けましょう。
また、MECEという手法だけに依存せず、他のフレームワークや手法を適切に使い分ける必要があります。
MECEを理解して論理的思考を強化しよう
MECEとは、漏れや重複がない状態です。MECEによって問題や情報が整理されてこそ、より論理的に物事を考えられるようになるのです。ビジネスパーソンにとって、MECEと論理的思考はどちらも欠かせないものといえるでしょう。
MECEは、視点と切り口の定め方が重要です。視点がずれていたり、複数の切り口が混在していたりすると、正解ではない結論が導き出される可能性があります。MECEが正しく行なえているかどうかを第三者にチェックしてもらうのもよいでしょう。
構成/編集部