50対50の提携に強いKDDI
法林氏:話を戻すと、KDDIとローソンの件は、コンシューマには直接の影響がないかもしれないけれど、会社の成り行きとしては今後が楽しみ。ただ、世間の解釈はそうなるのかと思ったんだけれど、発表後、KDDIの株価が下がり、三菱商事は上がった。そういう風に受け取られるのねって思った。
石川氏:三菱商事としては手詰まり感があったらしいことは、社長の発言からわかる。KDDIに助けてもらうって感じでしょうし、KDDIとしても、うまくいったら、今後、たぶん出資比率を上げていくだろうな。
KDDIって50対50で組むのが結構うまい。じぶん銀行が三菱UFJと50対50だし、JCOMも最初、50対50で住友商事と組んでいるし、ミャンマーの事業もそうか。カブコム証券も最初は50対50だった気がする。50対50で組みながらも、最終的にKDDIが主要になっていくっていうのに長けている。今回もたぶん、その勝ちパターンなんだろうなと思います。
石野氏:仲良くやるのがうまいんですよ。仲良くやりつつパクッと食べちゃう(笑)って感じがしますよね。
房野氏:楽天を買うとしたら、どれくらいで買うことになるんですか?
石川氏:楽天グループの今の時価総額は1兆7000億円くらい(2023年2月末時点)。
房野氏:だったら買えなくはない金額ですね。
石川氏:全然行けますよ。
石野氏:まぁ、買えるけど……
法林氏:と言いつつ、今は楽天の株価、800数十円だっけ。あれが1000円になると、ちょっとしんどいかもしれないけど、まぁ、でも、買えなくはない。
石川氏:楽天がお手上げするとしたら相当な状況ですから。社債を返せなくなった時の株価はいくらかってこと。
石野氏:買えはするけれど、今の株価で買おうとすると、今度はKDDIの財務負担も大きいかな。
法林氏:若干、余計なものが付きすぎる気がするよね。社債とかもたくさん発行しているので、そういうものも含め、全体的に評価しないといけないね。
石野氏:現預金でポンと買うわけには行かないから、やっぱりお金を借りないといけなかったりで。
石川氏:KDDIが丸ごと買うパターンもあるし、例えばJR東日本と組んで取りに行くというパターンもあるし、そこに三菱商事が出てくるパターンもあるだろうし。そういうことで自分たちの負担を軽くすることもできるだろうし。
法林氏:1社ではやらないと思うな。そこなんだよね、キーになるパートナーが出てくること。ローソンが今回、持分法の適用会社になったのと同じようにして、流通系の会社と何かするって話があるかもしれない。
房野氏:物流系はどうですか? KDDIは確か楽天と一緒に何かやってませんでしたっけ。
法林氏:最初にローミングをやる時の協定の中に、確か物流を一緒にやるっていうのがあったね。
石川氏:最近、全然聞かないけれど。
法林氏:最初に言ったローソンでやるDXは、単純に店頭に端末を置くっていう話だけではないと考えると合点がいく。でも、コンシューマにとっては何も変わらないというか、もしかしたら、これまで僕が行く時間帯に玉子サンドは1つしか残っていなかったけど、必ず3個買えるようになった、みたいな調整はあるかもしれない(笑)