そもそものプロジェクトのきっかけと、椎葉村が用意する未来の作家のための住居について聞いてみた
松本 はじめに「秘境の文筆家」プロジェクトの発足した経緯と、椎葉村側としては人員を居住させるための住居などをどのように調達したのか教えてください。
小宮山さん「秘境の文筆家」発足の端緒は何といっても、今村翔吾先生が「今村翔吾のまつり旅(今村さんが全国47都道府県の書店や学校、養護施設を巡る公演活動。118泊119日をかけて行われ、移動中は車内に設けた机で執筆活動を行った!)」のなかで椎葉村をお訪ねくださったことです。
2020年に開館した椎葉村図書館「ぶん文Bun」の「UIターンを生む図書館」を目指す地方創生×文化事業という志に基づく経営において、先生との出会いはひとつの村のビジョン規模を出版界・全国の志ある小説家の皆さまと共にあるべきものへと拡大する起爆剤となりました。
そして今村翔吾先生がお一人の直木賞作家さんであるだけでなく、一般社団法人ホンミライを発足させ出版界の未来を背負う気概と展望をお持ちであること。
これが椎葉村側にとっては「秘境の文筆家」のように長期ビジョンをもつ企画を提案させていただく契機となりました。
このあたりは今村翔吾先生と椎葉村長の趣意文が参考になるかと存じます。
なお、住居については椎葉村としても苦慮している部分でありますが、平成27年から始まった地域おこし協力隊活用事業のなかで既に取り組んできた部分ではあります。
村の公営団地や改修住宅の活用により、独身・家族連れと様々な形態の世帯で移住される皆さまに応じた環境を整備できるよう努めております。
過疎地域以外から作家を募集…その理由は地域おこし協力隊要項によるもの!
松本 私は実際、子供の頃に椎葉村に住んでおり、その後も何度か帰省しているのでイメージは沸くのですが、都市部在住の方にとっては今も椎葉はまさに秘境と言ってよい環境だと思います。
その秘境・椎葉村で文筆家を募集するにあたって、「現在、三大都市圏をはじめとする都市地域等(過疎地域以外)に在住しており、採用決定後、椎葉村に住民票を異動し、移住できる方」と対象を絞っている理由は?
小宮山さん この点は「秘境の文筆家」において活用する制度である地域おこし協力隊(総務省事業)の要項に基づく条件です。
過疎地への人口の移動を促す制度であるため、転出・転入地に関する地域要件が定められています。