「秘境の文筆家」プロジェクトが始動
椎葉村(しいばそん)。宮崎県北部にある村で、面積は全国第5位。
1185年に勃発した「壇ノ浦の戦い」で敗退した平家の落人が移り住んだ土地とされており、勾配のある険しい地形のために人が住めるエリアは全体のおよそ4%。
日本三大秘境の一角でもあり、標高の高い山々にも囲まれており、平地ではなかなか見られない動植物も観察することのできる土地である。
この椎葉村が、3月末日までを締め切りとして、文筆家……つまり小説を現地で執筆する物書きを募集している。
その名も「秘境の文筆家」プロジェクト。
2022年には直木賞も受賞した小説家・今村翔吾さんが代表を務める一般社団法人ホンミライと椎葉村が、作家の育成のために連携したプロジェクトである。
田舎を通り越してガチの秘境と呼んでもいい椎葉村で、果たして作家活動はできるのか。
そもそも椎葉にネット環境はあるのか。
どういう雇用形態なのか。興味は尽きない。
個人的な話になるが、椎葉村には筆者の父方の実家があり、幼少期はこの村の集落で生活していた。
当地には「ひえつき節」という民謡が存在している。当然、筆者も歌える。が、思い出を振り返っても、身の回りには作家はいなかった。
今回は、その椎葉村が未来の作家の発掘のために提唱した「秘境の文筆家」プロジェクトについて、同村地域振興課主査・椎葉村図書館「ぶん文Bun」司書の小宮山さんに、なぜ椎葉村で文筆家を募集することになったのか。
その経緯をインタビューすることができた。
「作家になりたい!」というそこのあなた! 運命の出会いに直結するインタビュー記事になるかもしれないので、ぜひご一読をお願いしたい。