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2023年の新規上場社数はリーマン・ショック後2番目に多い96社、AIやDX関連企業の躍進が目立つ

2024.03.05

設立から上場まで、前年より1.3年伸長。社長平均年齢は全体より若い50代前半の傾向続く

2023年IPO企業の設立から上場までの期間は平均17.8年で、前年(16.5年)から1.3年伸長した。

その一因として、設立から事業化・商品化までの期間が比較的短いIT関連企業の割合が小さくなった一方、ある程度の時間を要する製造業の割合が大きくなったことが考えられる。

他方、2023年IPO企業の社長の平均年齢は前年(51.2歳)から0.4歳上昇し、51.6歳となった。ただ、全体の社長平均年齢を10歳近く下回る水準で推移している。年代別にみると、「50代」が最も多く全体の3割を占めた。

2023年IPO企業の6割がスタートアップ企業。「インパクトIPO」も複数社みられる

「出口戦略」(イグジット、EXIT)としてIPOを目標に据えているスタートアップが多いなか、2023年IPO企業96社のうち「スタートアップ企業[1]」は60社と、全体の62.5%を占めた。

なかでも、2023年4月に民間初の月面着陸を目指したispace(東証グロース)は大きな注目を浴びた。また、法人向けのChatGPTプラットフォーム「ChatMee」などを提供するAVILEN(東証グロース)の代表取締役である高橋光太郎氏は、2023年IPO企業のなかで唯一20代社長となった(2023年終了時点の年齢)。

また、社会課題の解決を掲げる企業の上場、いわゆる「インパクトIPO」も複数件みられる。NPOとして創業した企業がIPOを果たす初めてのケースとなった、産直ECプラットフォームを運営する雨風太陽(東証グロース)のほか、社会・環境に関する一定の要件を充足した企業への国際的な認証制度「Bコープ」認証企業として初めてのIPO企業となった社会貢献型フードシェアリングプラットフォームを提供するクラダシ(東証グロース)などがあげられる。

[1] 「スタートアップ企業」は、帝国データバンクが把握しているスタートアップ企業データベース(約4,000社)に含まれている企業

2023年IPO企業は、「3年後に売上高が1.5倍以上となる可能性が高い企業割合」が全企業の約7倍に

帝国データバンクが有する信用調査報告書(CCR)の情報をもとに、「その企業の売上高が、3年後に1.5倍以上になるか否か」を予測する成長性予測モデル「SP」を用いて、IPO企業の成長性を分析した。

その結果、分析が可能な全24万社と比較して、IPO企業では高いポテンシャルが数値として現れる結果となった。2023年12月時点において、3年後に売上高が1.5倍以上になる可能性[TDB1] が最も高い「SPレベル10」の割合は、全企業[TDB2] では7.1%だったのに対して、2023年IPO企業群では48.4%と全企業の約7倍にのぼった。IPOを果たす3年前である[TDB3] 2020年以降、各時点のいずれも同様な結果がみられている。

<成長性予測モデル「SP」について>
帝国データバンクで調査している信用調査報告書(CCR)の情報をもとに、「その企業の売上高が、3年後に1.5倍以上になるか否か」を予測するモデル。予測結果を10段階の「SPレベル」に変換、レベル6以上で“成長性が高い”と判断でき、実際にSPレベルが高いほど成長した企業が多く発生している。また、自然言語処理に特化した「BERTモデル」、スコアリングモデル「ロジスティック回帰モデル」の2種類を使用している。東証プライム(東証一部)上場企業、資本金10億円以上などの大企業、金融業などは予測対象外。

まとめ

2023年のIPO社数は前年から5社増えて96社となった。直近では世界的な金融緩和が行われていた2021年に次ぐ水準となったものの、100社に届かず、リーマン・ショック前の水準に回復していない。

業種別にみると、AIやDXソリューション事業を手掛ける企業が多くみられた。IPO企業の設立から上場までの平均期間は前年から1.3年伸長し17.8年となり、社長の平均年齢は微増の51.6歳で全体を10歳近く下回る傾向が続いている。また、成長性予測モデル「SP」を用いてIPO企業の成長性を分析したところ、IPO企業は3年後に売上高が1.5倍以上となる可能性が高い企業割合が全企業の約7倍にのぼることが分かった。

ロシアによるウクライナ侵攻やハマス・イスラエル紛争の長期化といった地政学上の不確実性の高まりなどで2024年も投資マネーの勢いの弱さは引き続き懸念される。しかしながら、2023年10月に行われた、IPO企業にとってメリットが大きいと言われているIPOの公開価格設定プロセスや上場日程を決めるルールの変更に加え、国内株式市場が堅調に推移するとの予想などが2024年のIPO市場の追い風となることが期待されている。

<調査概要>
調査対象:2023年中にIPO(新規株式上場)を果たした企業
調査機関:株式会社帝国データバンク

出典元:帝国データバンク

構成/こじへい

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