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日本企業CIOの9割がAIは競争上の優位性をもたらすと確信する一方、生成AIに投資している企業の割合はわずか2%どまり

2024.03.07

生成AI:2024年の日本のCIOの重要トレンド

日本(2%)とオーストラリア/ニュージーランド(ANZ)(2%)の2024年の生成AI投資は、ASEAN+地域(11%)、インド(28%)、韓国(33%)に遅れを取っているが、日本とANZのそれぞれ79%と77%のCIOは、生成AIへの投資を計画している。

日本のCIOに対する調査の結果は以下のとおり。

■採用の課題:日本のCIOの懸念事項のトップ2は、モデル能力の限界(58%)とセキュリティ(39%)

■デプロイメントの課題:日本のCIOにとって重要な弱点は、AIテクノロジーのビジネスケースを明確化する能力(49%)と、AIツールのトレーニング不足(35%)

■AIをデータで活用:アジア太平洋地域のCIOの69%は、非パブリッククラウド環境でのAIワークロードを選択。 日本のCIOの73%はすでに、セキュリティ・フレームワークの強化でAIを使用

さらに、調査から明らかになった点として、アジア太平洋地域の企業は、AIワークロードのデプロイメントに関し、バランス重視のアプローチを採用する予定だ。平均すると、AIワークロードの31%がパブリッククラウドに、28%はプライベートクラウドに、さらに28%はハイブリッドクラウドソリューションにデプロイされることになる。

レノボISGの最高マーケティング責任者であるフリン・マロイ氏は、次のように述べている。

「AIワークロードの13%が従来型データセンターに割り当てられている現状は、データ生成元のより近くにAI機能が導入される、エッジコンピューティングの重要性に対する認識の高まりを示しています」

同時に、日本のCIOの73%はすでにAIを使用してセキュリティ・フレームワークを強化しており、21%が投資を計画している。

以上のような結果を踏まえ、レノボISGのアジア太平洋事業責任者であるスミア・バティア氏は、次のように話す。

「ポケットからクラウドまでのソリューションと、50社以上のISV(Independent Software Vendor)と165種類以上のAIソリューションのエコシステムを通じ、レノボはあらゆる場面にAIを提供しています。AI分野の専門家チームと、よりスマートなテクノロジーを通じ、レノボは『AI for All』を実現し、顧客体験を変革していきます」

■金融、通信、製造、ヘルスケア、官公庁、小売のCIOによる、2024年のアジア太平洋地域の重要トレンド

日本のインサイト

●日本はアジア太平洋地域でAI支出が最も高い国でもある。日本では、自動化と効率化、分析、顧客体験などの主要テクノロジーにAIが多大な影響を及ぼしている。
●日本の金融サービス業界(FSI)では、高収入社員の比率が高いことから、雇用保障、スキルの確保、研修の必要性が上位の課題となっている。
●小売業界の場合、日本のCIOはAIを効率性、顧客体験、業務全体の強化に不可欠な要素と考えている。急速に進化する市場において、AIは小売業者の競争力維持に役立つ鍵とみなされている。

■エッジの実装がAIを加速、日本のCIOによるエッジ投資は15%増

●エッジ・テクノロジー支出は、日本では前年比15%増、アジア太平洋地域は25%増
●エッジデバイスが大量のリアルタイムデータを生成することで、AIモデルの新たなユースケースが見込まれる。
●そのため、日本のCIOは、リアルタイム分析(57%)とIoTデバイス管理(48%)のユースケースが、AIによる影響を最も受けると考えている。

■データ、セキュリティ、スキルは2024年のAIの重要課題

CIOによると、AIの最も重要な技術的課題は、生成AIが大規模なデータセットに依存していることであり、こうしたリソースは大半の企業で不足している。ビジネスの課題に関しては、雇用保障と必要なAIスキルの不足が、IT人材にとって最大の懸念事項だ。

株式会社AXSEEDの代表取締役社長である森本 茂幸氏は、次のように述べている。

「AIによって経理などの労働集約型モデルが自動化を推進し、クラウドで一元管理されるようになると、従業員は自由になった時間にデータ分析などのより貴重な業務を行うことができます。こうして労働集約型AIモデルが進化すると、従業員はルーチンワークではなく、解釈がメインの「データエンジニア」などに移行します。このシフトは、特に人口減少による労働力不足が懸念される日本にとって重要です。結果として、既存社員の新たな領域への育成、海外での知識的費用対効果の高い労働力も選択肢として考慮されるようになり、日本の人材にとって、よりグローバル適性(英語力は必須)のある人材の重要性が高まっています」

企業がAIジャーニーを継続させる上でDataOps(75%)、SecOps、DevOps(75%)など、最も募集の多い運用関連のAI職は、引き続き応募しやすく、重要な役割であるため、主要な入り口となっている。

しかし、アジア太平洋地域の企業の45%と日本企業の33%は、AI関連職の採用に悪戦苦闘しており、その割合は通常の採用業務の2倍を上回る。

結果、企業は社内ソリューションへの転換を強いられており、既存従業員のスキルアップの重要性が浮き彫りになっている。

調査概要

レノボの委託を受け、IDCが実施した「CIO Playbook 2024 – It’s all about Smarter AI」調査は、2023年7月~2023年10月にかけて、インド、韓国、日本、ASEAN+(シンガポール、香港、タイ、台湾、フィリピン、マレーシア、インドネシア)、ANZ(オーストラリア、ニュージーランド)からなるアジア太平洋地域の12市場のITおよびビジネスの意思決定者(ITBDM)900人以上を対象とした調査に基づく。対象者の業種は、金融、製造、小売、通信、ヘルスケア、官公庁と多岐にわたる。レノボの「AI for All」ビジョンに基づき、今回のアジア太平洋地域の調査では、2024年のCIOによるAI採用の課題、機会、優先事項に注目している。

参考情報

関連情報
https://www.lenovo.com/jp/ja/

構成/清水眞希

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