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「仕事に対する夢はどんどん幻想へ」竹田ダニエル氏が語る、アメリカと日本で異なる働く人の価値観

2024.03.10

価値観が合わない相手とは「対話をする意思があるか」を見極める

 ――DIMEの読者をはじめ多くの社会人は、社内外で多くの人と関わりがあります。そんな時に「価値観が合わないな…」と感じるケースもあると思いますが、竹田さんは価値観が違う人と出会った時、どのように接するようにしているのでしょうか?

価値観の違い以前に、「相手が対話をするつもりがあるか」を考えないといけないと思っています。ある取材を受けたときに、「情報をフラットに受けるにはどうしたらいいか」と質問を受けたんです。そもそもなぜ情報をフラットに受けなきゃいけないのかを記者の方に聞いたら答えがなくて。「何となくすべての意見を聞き入れることが大事だと思っていました」みたいな。でも、よく考えたら陰謀論とかフェイクニュースとかを差別的な意見とかも、有益な意見として聞き入れる必要があるのか、同じような思いを持って聞き入れるべきなのかと話が変わってくるはずです。なのに、中立がすごく良いものと、無意識に思ってしまっている人も多いのかなと思います。

――そうですね、フラットが必ずしも良いことではないかもしれません。

違う価値観って話もそうだと思っていて。アメリカに住んでいたら、全然違う国から来た人とか、いっぱいいるわけですよね。もちろん、そういう方の話を聞くのは面白いけれども、中にはその人の自国の保守的な考えこそが正しいと思っている人とかもいて。「アメリカでは女性の権利がとか、子どもの権利がと言っていて許せない」みたいなことを言っている人がいたら、この人は他の人の意見を聞き入れたり、他の人の立場に立って人権について考える気がそもそもないんだな、と思ってしまうというか。その人なりの背景があるのは理解できるんですけど、自分はこの人と話したら、傷つくなと思ってしまうけれど、わざわざ議論をしたり、意見を変えようとしたりする必要は必ずしもありません。自分が同意できないような差別的な意見を持っている人が、それが無知から来ているものなのか、それとも根強いものから来ているかでも違ってくるとは思いますね。

――向き合う必要があるかを見極める、みんなと理解し合う必要はないということですかね。

中には、自分が無知であることを指摘されて、怒る人もいますよね。特に「冷笑」っていうのはすごく手ごわい。自分のことを棚に上げて、自分は正しいんだと主張する人が増えていると思っていて。そういった相手はそれこそ、対話をする気がないので、価値観の違いはあれど、わかり合おうとすると、こちらの労力がかかってしまう。

人の意見って環境とか生い立ちとか背景とかに影響を受けているから、本人の意見、価値観って言うよりも、「こういうところから来た人だから」と、その人の生い立ちとかを知る必要もあると思います。アメリカではと「あなたに対してパーソナルなことじゃないよ(it’s not personal)」というフレーズがよく使われます。例えばすごく保守的な考えを持った人がいたとしても、それは本人がというより、特定の環境にいたから結果的にそうなってしまった人もいるし、他の人を傷つけようとしてその発言をしているわけではない場合もある。そう考えると、生活をする上で、思想や価値観を「分類」として考える、みたいなことも必要かなと思いますね。

――お話を伺う中で、私自身もたくさんの気づきをいただきました。本日はありがとうございました。

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2024315日に発売する『DIME』本誌にて竹田ダニエルさんの連載『Z世代の〈はたらく〉再定義』がスタートします。「仕事」とは何かという普遍的な問いをZ世代的な価値観から、もう一度考え直すエッセイです。アメリカで今起きている仕事や働き方に関するトピックを紹介しながら、Z世代がどんな価値観を持っているのか、そのムーブメントの裏にはどんな理由があるのか考察していきます。

職場での世代間ギャップを抱える管理職世代から、実際に「Z世代」に該当する20代前半のビジネスパーソンまで、働き方をもう一度考え直すきっかけになる連載です。乞うご期待!

取材・文/久我裕紀 

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