2024年1月24日、DIME初のビジネスカンファレンス「DIME Business Trend Summit」が開催された。当日はオンラインでの同時配信も実施。ビジネスの第一線で活躍する著名人が登壇し、様々な視点から新たなヒット商品、サービスを生み出すためのヒントを共有。時代を生き抜くための気づきが詰まったセッションの様子を紹介する。
スペシャルセッション【2】 稼ぐ力をつける戦略的キャリアの築き方
タレントとしてはもちろん、経営者としても活躍する厚切りジェイソン氏。公開取材形式で行なわれた本セッションでは、石﨑編集長が稼ぐ力を身につけるための考え方や行動について話を伺った。
厚切りジェイソン氏(お笑い芸人 / IT企業役員)
稼ぐ力をつけるには「需要があるのに人が少ない市場」の見極めが重要
厚切りジェイソン
GEヘルスケア、米企業の日本法人社長などを経て、現在はIT企業役員。タレント活動や本の出版など幅広く活躍する。
最新刊『ジェイソン流お金の稼ぎ方』(ぴあ)好評発売中!
戦略的に考え、挑戦し続けることで得られる〝稼ぐ力〟
このセッションではジェイソン氏のキャリアを振り返るところから始まった。
「他人がなかなかできないけどニーズがあるところを選ぶ戦略を取った結果、良い機会に恵まれた」
ジェイソン氏は幼い頃から「ITで世界を変えたい」という信念を持っていたという。学生時代は超一流企業でのインターンシップに応募するも、惜しくも落選。それをきっかけに方向転換をした。
「専門性を深めるより、ITと掛け合わせできる、別のスキルの習得を重視することにしたんです。日本にIT最先端技術に触れられる企業が多いこと、日本語を学ぶ人材が少ないことにチャンスを感じ、学生時代は日本語を習得することにも力を入れました」
大学卒業後は、アメリカの企業に就職。身につけたスキルは使うことが重要だと話す。
「スキルを身につけるだけでは無意味です。実践して初めて価値を持つと思っています。せっかく身につけた日本語スキルが生かせる環境に身を置くため、転職をすることにしました」
IT×日本語のスキルを持つ希少な人材になったジェイソン氏は、24歳で米企業の日本法人社長の地位を勝ち取った。早い段階で自身と向き合い、自らキャリアを切り開いてきたジェイソン氏。石﨑編集長は、企業名や平均年収が重視される日本の現状について、ジェイソン氏の意見を聞いた。
「これこそ『Why Japanese People!?案件ですよね。『平均』で満足ですか。自分が満足できるラインを考えるべきですよ」
さらに、日本企業でよく見られる「やりがい搾取」については次のように続ける。
「『やりがい』をバカにするわけではありません。ただ、やりがいを感じる仕事は稼ぎにくいのも事実です。会社の視点からすれば、やりがいがある仕事は、やりたい人が多く、担い手の価値が下がります。現状の年収に不満を感じているのであれば、考え方を変えてみても良いかもしれません」
ジェイソン氏は現在、IT企業の株式会社テラスカイでグローバルアライアンス部の部長を務める。また、同社のコーポレートベンチャーキャピタルのテラスカイベンチャーズで取締役にも就任。企業で大きく活躍しながら、タレント業も兼務している。幅広く活躍するジェイソン氏に、石﨑編集長は「人生の選択肢の広げ方」について質問した。ジェイソン氏は「コストをかけずに軽い気持ちでどんどん挑戦すると良いです。その際は新たな挑戦ができる余裕を残し、責任のある挑戦の仕方をすることが大切だと思います」と返した。芸人としてのキャリアも、趣味の延長線上で通い始めた芸人養成スクールがきっかけだった。
「お笑いの世界は家族やほかのキャリアを捨て、お笑い一本で勝負する人が多いんです。キャリアや家庭を守りながら挑戦する私に対して『成功するはずがない』と厳しい声もかけられました。私は次の挑戦ができる余力も残しながら芸人を目指し、リスクを取らず、仕事の幅を広げることに成功しました」
最後の質疑応答では、会場から「うまくいかなかった時の対処方」について質問が上がった。ジェイソン氏は、「望む結果が得られなくても、進み続けることを大切にしています。止まったらそこで終わると思っていたので、得られた結果に対し、次に必要なこと、今できることを考え、行動し続けることです」アドバイスした。
ココをアップデート
1〉スキルを組み合わせ希少性を出す
ニーズのある市場で稀有な人材になるため、組み合わせて使えるスキルを磨く。ジェイソン氏はITと相性の良い日本語との掛け合わせでチャンスをつかんだ。
2〉「当たり前」を能動的に考える
戦略的にキャリアを築くうえでは、日本で当たり前と考えられている「平均年収」や「やりがい」などに対して、意識的に考える姿勢を持つことが大切。
3〉余力を残した挑戦で選択肢を広げる
新しいことに挑戦する際は、別の挑戦をする余力を残しておく。様々なことに気軽に挑戦でき、それが結果的に自分の選択肢を広げることにつながる。
DIME4月号は超実践的なAI活用法をまとめた「AI仕事術」を大特集
日々進化を続けるAIはいよいよ社会に実装されていくフェーズに入ってきました。また、スマホやPCの“オンデバイス”で搭載され始めるなどスゴいスピードで進化を遂げています。
今月のDIMEはそんなAIの仕事での活用をまとめた特集です。話題のマイクロソフト「Copilot」など今すぐ使えるAIの実践的活用法をシーン別にまとめています。
企画書やプレゼンの構成、メールの返信、プロジェクト管理、データの整理、ブレストなど具体的な使用シーンと活用法を様々な識者に取材し、まとめています。
まさにこれ一冊で自分をアップデートできる一冊です!
実は今回は表紙もAIに作ってもらったり、誌面をAIを活用して作ってみるなど編集部としても実験的な試みを実践しています。
また第2特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター 高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事のモチベーションをアップしてくれる56冊を選出してもらいました。
役立つ情報が満載の4月号、是非お近くの書店などでチェックしてみてください。
DIME2024年4月号
特集 1 企画書 プレゼン メール スケジュール管理ほか
「タイパが爆上がりするAI仕事術」
「インターネット出現以来の産業革命」、そう言われたChatGPTの登場から1年。
生成AIは今なお進化を続けている。さらに昨年末に発表された「Copilot for Microsoft 365」では「Word」「Excel」などビジネスパーソン必須の
OfficeアプリにまでAIが実装された。
今後、生成AIを使いこなせるかどうかで、仕事の効率は天と地ほどの差が生まれるはずだ。来たる〝AI時代〟で一歩先を行く実践的な活用法をシーン別に細かく解説!
特集 2 作業効率が激変!「AI時代の最新PC 32」
AIプロセッサー「NPU」を搭載し、幅広いビジネスシーンをアシストしてくれる〝AI PC〟が登場し始めた。今、春買い替えるべき最新PCを一挙紹介!
特集 3 DIME読者とマンガ好き10名が選んだ仕事に効く56冊!
「ビジネスパーソンが読むべきマンガ大賞」
マンガは単なるエンターテインメントではなく、現代のビジネスパーソンにとって新たな教科書ともいえる存在だ。
ドラマチックなストーリーを通じて、職場で直面する様々な課題や、人間関係の機微、成功への道のりのヒントを与えてくれる。
今回の特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター 高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事に効く56冊を選出してもらった!
<新連載> 気になるあの人の“働く主義”に迫る「ハタラキズム」 第一回 芳根京子さん
〝働くうえでの主義=ハタラキズム〞とは?
BUSINESS HACKS DIME初のビジネスカンファレンス開催!「DIME Business Trend Summitで語られた未来を創る6つのヒント」
HEALTH HACKS お酒、喫煙、ギャンブル、SNS、ムダ使い……etc.「やめたくてもやめられない『ゾンビ習慣』の撃退法
BUSINESS HACKS 警察庁から映画業界へ「異色の経歴を持つCEOが語る〝異世界転職〟できた理由」
TOP LEADER INTERVIEW 株式会社タイミー 代表取締役 小川 嶺氏「世の中の当たり前を疑うことからイノベーションが起きる」
取材・文/久我裕紀