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東京工業大学・益一哉学長に聞く、日本の停滞を打ち破るために企業と大学に求められる新しい関係

2024.04.10

2024年1月24日、DIME初のビジネスカンファレンス「DIME Business Trend Summit」が開催された。当日はオンラインでの同時配信も実施。ビジネスの第一線で活躍する著名人が登壇し、様々な視点から新たなヒット商品、サービスを生み出すためのヒントを共有。時代を生き抜くための気づきが詰まったセッションの様子を紹介する。

「DIME Business Trend Summit」

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スペシャルセッション【1】 日本の停滞を打ち破る企業と大学の〝新しい関係〟

東京工業大学学長として、大学の改革を推進する益氏。「失われた30年」と揶揄される日本の停滞を打ち破るため、大学ができる施策を数多く実行している。本セッションでは、理想的な企業と大学の関係について語られた。

益 一哉氏(東京工業大学学長)

日本の停滞は、大学にも責任がある。これからは産業界と連携したシステム構築

益 一哉益 一哉
2018年より東京工業大学学長を務める。専門分野は電子デバイス、集積回路工学、ワイヤレスセンサーネットワーク。

できる経営者を増やすには大学も変革することが必要

 益氏は、日本企業が世界に遅れを取り、新しい産業がほとんど生まれなかったことについて、大学にも要因があると切り出した。

「実は、日本が停滞したのは、投資もできない『経営者が悪い』と思っていました。でも、ふと胸に手を当てると、その経営者は大学を卒業している。『出来の悪い経営者を育てたのは誰だ』と考えた瞬間、大学だと思ったわけですね。東工大は、人を育てて、工業工場を作るような人を生み出すと言っている割に、生み出した人が何もしていない。この反省がありました。『このままじゃまずい』と思ったのが、私が学長になろうと思った理由のひとつになります」

 東工大では、そうした日本の停滞を打破するための改革に着手。特に多様性を重視した取り組みに力を入れている。益氏は「ダイバーシティーの推進は、特に重要です。いろいろなことを考えないといけませんが、日本の場合、一丁目一番地は『ジェンダーバランスの悪さ』」と話し、東工大における女性限定教員公募や入試における女子枠の導入について説明した。

 ダイバーシティーと同時にスタートアップ支援にも力を入れている。

「今はいろいろな大学が様々な形でスタートアップ支援をしていますが、東工大では、卒業生、東工大の技術、職員などがもとになったベンチャーに『東工大発ベンチャー』という称号を与えています。2016年くらいから急激に増え、今では約160社になりました」

 さらに、田町キャンパスをスタートアップ育成のための拠点とするプランを示した。

「東工大を中心にした『大学城下町構想1.0』があります。大学がアイデアの源泉で、スタートアップがプロトタイプ。大企業は大量生産を担い集積していくモデルです。シリコンバレーが典型例です。各地の大学が連携する『同構想2.0』も2023年から始まっています」

 また、大学間での連携を強めることが、企業だけでなく大学にもメリットがあると話す。

「我々は『オープンイノベーション機構』のもと、様々な産業界と組織対組織の共同研究をやっていますが、実は産業界の望むことすべてが東工大でできるかというと、そうではない。しかし大学間の連携があれば、東工大自身の産学連携を強化することになるし、一緒にやってくれる大学にもプラスになる。企業もすべての大学にアンテナを張る必要がなくなる。我々が窓口になってもいいと思っています」

 最後に、益氏は大学と企業の関係性について次のように述べた。

「産業界と一緒になってより良い社会を作っていく必要があると考えています。僕ら大学の立場から言うと、経済循環が回ることで大学の人材育成や、基礎的な研究の推進につながる。それがイノベーションの起点になる。こういうエコシステムを作っていきたい。それが僕らの立場からのメッセージです」

東工大を象徴するステートメント2017年3月に発表した、東工大を象徴するステートメント。学内の教職員、学生だけでなく卒業生も参加したワークショップでの議論により誕生した。

ココをアップデート

1〉積極的に組織に多様性を持たせる

日本はダイバーシティーでも遅れをとっている。特に指摘されるのが「ジェンダーバランスの悪さ」。世界を見渡すと、女性の活躍が目立ってきている。

2〉スタートアップ支援と共創

日本の停滞を打破するためには、大学と産業界が手を取り合い新たな価値を作り出していくことが必要。東工大では、その架け橋となる施策を推進している。

3〉大学と企業のエコシステムの構築

企業が実現したいことを支援するためには、大学間の連携も欠かせない。産業界と大学の双方にメリットのあるエコシステムの構築も不可欠である。

コチラでレポート記事を公開中!

取材・文/久我裕紀

DIME4月号は超実践的なAI活用法をまとめた「AI仕事術」を大特集

日々進化を続けるAIはいよいよ社会に実装されていくフェーズに入ってきました。また、スマホやPCの“オンデバイス”で搭載され始めるなどスゴいスピードで進化を遂げています。

今月のDIMEはそんなAIの仕事での活用をまとめた特集です。話題のマイクロソフト「Copilot」など今すぐ使えるAIの実践的活用法をシーン別にまとめています。

企画書やプレゼンの構成、メールの返信、プロジェクト管理、データの整理、ブレストなど具体的な使用シーンと活用法を様々な識者に取材し、まとめています。

まさにこれ一冊で自分をアップデートできる一冊です!

実は今回は表紙もAIに作ってもらったり、誌面をAIを活用して作ってみるなど編集部としても実験的な試みを実践しています。

また第2特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター 高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事のモチベーションをアップしてくれる56冊を選出してもらいました。

役立つ情報が満載の4月号、是非お近くの書店などでチェックしてみてください。

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OfficeアプリにまでAIが実装された。
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特集 2 作業効率が激変!「AI時代の最新PC 32」

AIプロセッサー「NPU」を搭載し、幅広いビジネスシーンをアシストしてくれる〝AI PC〟が登場し始めた。今、春買い替えるべき最新PCを一挙紹介!

特集 3 DIME読者とマンガ好き10名が選んだ仕事に効く56冊!
「ビジネスパーソンが読むべきマンガ大賞」

マンガは単なるエンターテインメントではなく、現代のビジネスパーソンにとって新たな教科書ともいえる存在だ。
ドラマチックなストーリーを通じて、職場で直面する様々な課題や、人間関係の機微、成功への道のりのヒントを与えてくれる。

今回の特集ではマクアケ・中山社長、安芸高田市・石丸市長、沢口愛華さん、斎藤佑樹さん、神田伯山さん、モグライダー・芝 大輔さん、映像ディレクター 高橋弘樹さん、ベンチャー投資家・朝倉祐介さん、プロゲーマー翔さん、株式投資家テスタさんなどマンガ好き10名とDIME読者により仕事に効く56冊を選出してもらった!

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