組織開発・人材育成を支援するALL DIFFERENT(旧ラーニングエージェンシー )と、調査研究機関であるラーニングイノベーション総合研究所は、社会人5~11年目の役職がついていない中堅社員(※)600人に対し、2023年9月に直面している困難や不安(壁)に関して「中堅社員の意識調査(直面する壁 TOP3)」を実施。結果をグラフにまとめて発表した。
※ 当レポートでは社会人5年目以降35歳未満の役職がついていない社員を指し、「ミドルキャリア」とも記載
ミドルキャリアが直面している壁は「知識・スキルへの不安」
今回の調査では、ミドルキャリアに対し、現在どのようなことに困難や不安(壁)を感じているか、仕事や上司、キャリアや自分の成長など9つの項目について質問した。
その結果、ミドルキャリアが最も壁を感じている項目は「自分の知識・スキルに不安を感じることがある」で45.7%となった。次に、「仕事の量が多いと感じることがある」が44.2%、「上司との人間関係について苦労したことがある」が38.3%で続く。
最大の壁としてあがった「自分の知識・スキルへの不安」は、当社が社会人2~4年目の若手社員に対して行なった意識調査でも各年次で最大の結果となったことから、若手からミドルキャリアまで一貫して共通する不安であることがわかった。(図1)
■「知識・スキルへの不安」の壁(年次別)
「自分の知識・スキルに不安を感じることがあるか」という質問に対し、「ある」「ない」と回答した人を、年次別に比較した(「どちらともいえない」と回答した人を除く)。
その結果、全年次で6割が「ある」と回答。中でも、社会人7年目と社会人11年目以上はさらに高く、76.2%、75.2%と7割以上が「ある」と回答し、その前の年次(社会人6年目・10年目)で「ある」と回答した割合よりも16ポイント以上高くなった。(図2)
■「仕事の量」の壁(年次別)
次に、「仕事の量が多いと感じることがあるか」という質問に対し、「ある」「ない」と回答した人を、年次別に比較した(「どちらともいえない」と回答した人を除く)。
結果、「ある」と回答した割合が、6年目と9年目の社員のみ半数以下となり、その他の年次はすべて6割以上となった。(図3)
■「上司との人間関係で苦労した」壁(年次別)
「上司との人間関係について苦労したことがあるか」という質問に対し、「ある」「ない」と回答した人を、年次別に比較した(「どちらともいえない」と回答した人を除く)。
結果、「仕事の量の壁」と同様に、6年目と9年目の社員のみ、「ある」と回答した割合は半数以下となった。また、社会人9年目以降は、9年目の45.7%に対し、10年目は62.5%と16.8ポイントの上昇が見られた。11年目以上も上昇は続き、68.0%と7割近くが壁を実感する結果となった。(図4)
ここまで、ミドルキャリアが直面している困難な壁TOP3の年次別内訳をみてきた。多少の前後はあるものの、社会人6年目と社会人9~10年目で、壁の捉え方が大きく変わるターニングポイントが訪れていることが推察できる。