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カジュアルファッションの定番ブランドになった「ザ・ノース・フェイス」、ゴールドウインの勢いが止まらない理由

2024.02.21

機能性の高いウェア開発を続けてきたノースフェイスに熱視線

現在、アパレルにおいて見逃すことのできない要素が機能性の高さ。2023年は平均気温40℃を超す「酷暑日」が福島県や石川県の一部エリアで初めて観測され、猛暑日が続いて全国で記録を更新する暑さとなりました。

それに加えて電気代、エネルギー価格の高騰によってエアコンなどの家電を節約したいという消費者意識も高まりました。そのため、多くの人が機能性の高い衣服を求めるようになったのです。

機能性の高いウェアを提供する代表的な会社が「ユニクロ」のファーストリテイリング。同社の2023年8月期の国内事業の売上高は、前期比9.9%増の8,904億円で過去最高を更新しました。気温が高く推移して、業績予想を上回る好調ぶりだったと説明しています。

ノースフェイスはアウトドアブランドとして、機能性にこだわって製品開発に邁進してきました。速乾性、吸水性、保温性、撥水性の高い素材を使い、どこでも快適に過ごせるウェアを提供しています。速乾性や吸水性に優れたノースフェイスのウェアが消費者から支持されたのでしょう。

下半期の業績を左右する秋冬で見逃せないアイテムが、世界初の構造タンパク素材「ブリュード・プロテイン素材」を使ったアウター。植物由来のバイオマスなどを主原料とし、微生物発酵プロセスで作られる人工タンパク素材です。エネルギー消費と環境負荷が小さく、脱プラスチック素材として注目されています。

オリジナルブランド「Goldwin」をどこまで伸ばすことができるか?

ノースフェイスが業績をけん引していますが、一つのブランドへの依存度が高い状態が続くと、ブランドイメージが毀損した際に業績が急悪化するなど、経営リスクも高まります。

ゴールドウインは、オリジナルブランド「Goldwin」を育てる取り組みも本格化しています。2018年11月に初の直営旗艦店「Goldwin Marunouchi(ゴールドウイン 丸の内)」をオープンしました。

もともとはスキーウェアに強みを持っていましたが、流行が下火になったことに危機感を覚え、2018年にブランドを刷新。機能性の高いスキーウェアのノウハウを生かし、アウトドアウェアなどのカジュアル衣料を展開しています。

オリジナルブランドをノースフェイスに次ぐものへと進化させることができれば、事業展開は大きく変化することになるでしょう。

取材・文/不破聡

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