デザイン性の高いトースターやホットプレートなどを販売し、女性からの支持が高い家電販売のバルミューダが窮地に陥っています。
2023年12月期は上場以来初の赤字となりました。
バルミューダというとスマートフォンへの参入で失敗したイメージが根強く残っていますが、業績悪化は主力家電の不調にあります。回復への道は容易ではありません。
2021年11月にスマートフォン市場に参入したバルミューダ
調理家電の売上が100億円を下回る
2023年12月期の売上高は、前期比26.1%減の130億1,100万円、13億7,500万円の営業損失(前期は7,500万円の営業利益)を計上しました。バルミューダは昨年11月に業績予想の下方修正を発表しており、売上高を従来予想の159億5,000万円から133億円へと24.4%も引き上げていました。
実際の着地は、修正値よりもおよそ3億円(2.2%)低いもの。大赤字であることよりも、予想を上回るスピードで減収に襲われていることが、バルミューダの苦境を物語っています。
※決算短信より筆者作成
バルミューダは2023年5月にスマートフォン事業からの撤退を発表しています。しかし、スマートフォンは2022年12月期の売上高が8億6,800万円ほど。その年の売上全体の5%にも達しておらず、撤退による減収要因としては軽微です。
影響が大きかったのが、主力のキッチン家電。2023年12月期のこのカテゴリーの売上高は88億600万円で、前期比14.4%の縮小でした。空調関連も同35.7%減少し、24億4,200万円となりました。
※決算短信より筆者作成