勤務医の時間外労働の上限を原則年960時間に規制
医師専用コミュニティサイト「MedPeer」を運営するメドピアは、リクルートメディカルキャリアと共同で、「MedPeer」に登録する医療機関に勤務する医師2045人を対象に、医師の働き方改革に関する意識についてアンケート調査を実施。
本稿では、その調査報告から「医師の働き方改革」に対する医師の期待と不安に関する解説を一部抜粋してお伝えする。
医師の働き方改革により、長時間労働が改善されることを期待している医師は32.4%
最初に医師の働き方改革により長時間労働が改善されることへの期待度を聞いた。「どちらともいえない」と回答した医師が最も多く39.6%、「とても期待している」「期待している」は合わせて32.4%だった。
制度により医師の長時間労働が改善されることへの期待の声が集まる一方、医療体制を維持しながら長時間労働の改善ができるのか、実現性についての不安や懸念が多く寄せられた。
■医師の働き方改革について、期待していることの最多は「休日・休暇が十分に取れること
※選択率の高い順に掲載。「その他」を非表示。「期待していることはない」は排他項目。
医師の働き方改革について、期待していることを聞いた。最も多かったのは「休日・休暇が十分に取れること(49.6%)」だった。
一般企業では2019年4月より施行された法令が、5年の猶予期間を経て医療機関にも施行される。医師の健康を確保し医療体制を維持していくために、働き方改革による医師の長時間労働の改善が期待される。
■時間外労働時間と仕事への満足度には相関がある
※満足計:「満足」+「やや満足」、不満計:「不満」+「やや不満」
時間外労働時間と仕事への満足度との関係を確認するため、時間外労働時間月0時間と月101時間以上で仕事への満足度を比較したところ、満足計で34.7ptの開きがあり、時間外労働時間が短いほど仕事への満足度が高くなり、時間外労働時間が長いほど仕事への満足度が低くなるという傾向が見られた。
時間外労働時間と仕事への満足度には深い関係があることがわかる。
■医師の働き方改革への不安や懸念は「収入減少が見込まれること
※選択率の高い順に掲載。「その他」を非表示。「不安や懸念はない」は排他項目
これまで見てきたように、医師の働き方改革には多くの期待が寄せられている。一方で、医師の働き方改革についての不安や懸念があるのも事実だ。最も多かった不安や懸念は、「収入減少が見込まれること(51.6%)」だった。