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【ヒット商品開発秘話】発売から約3か月で年間販売目標をほぼ達成!アルコール分3.5%のビール「アサヒスーパードライ ドライクリスタル」

2024.01.27

改正酒税法が施行された2023年10月、アサヒビールはビールの新商品『アサヒスーパードライ ドライクリスタル』(以下、スーパードライ ドライクリスタル)を発売した。

『スーパードライ ドライクリスタル』はアルコール分3.5%の『スーパードライ』。透明感のある味わいと本格的な飲み応えを実現した。

 12月までに139万ケース(1ケース:大瓶633ml×20本換算)を販売。年間販売目標が150万ケースのところ、発売から約3か月で目標の9割以上を達成している。

ビール好きから支持される『スーパードライ ドライクリスタル』

10年後、ビールはカジュアルに飲まれる

 マーケティング本部ビールマーケティング部 担当副部長の玉手健志氏によれば、『スーパードライ ドライクリスタル』は2022年に実施された『スーパードライ』のフルリニューアルの次にやるべきこととして検討され、2年近くかけて開発された。

「『スーパードライ』は躍動的、挑戦し続ける、進化を止めないをテーマにしているので、さらに何か新しいことを社会に対し提案していきたいと考えていました」

 このように明かす玉手氏。遠い未来ではなく、10年後ビールはどのように飲まれているか、ビールと人の関係性は10年後どのように変わっているのかを社内で議論した。

 10年後のビールと人の関係性としては2つの方向性が考えられた。1つは「今よりも多く飲まれている状態」、もう1つは「今よりももっとカジュアルに楽しまれている状態」といったものである。

 どちらの未来もあり得たが、同社は最終的に、世界的な傾向から後者の未来を予測した。いま、世界的に2つの傾向があるいう。

 まず1つは、世界的な傾向として1人あたりのアルコール摂取量が減少していること。玉手氏によれば、2009年と2019年を比較した場合、多くの国では2019年の1人あたりのアルコール摂取量が2009年より少なくなっている。こうしたことから、今後は量を多く消費するよりは軽く飲むことがトレンドになると考えられた。

 もう1つは、アルコール分が低めの酒類の売れ行きが世界的に伸びていること。ビールに関しては、北米やオーストラリアにはアルコール分3%台のビールが売れており、とくにオーストラリアは、アルコール分3.5%のビールがトップシェアを獲得している。

ターゲットは“やりたいことがたくさんある人”

 低アルコール化が進みビールとの付き合い方がカジュアルになると予測した同社であったが、ターゲットとするユーザー像を設定するにあたり、「40代男性」といったでもグラフィックデータ(人口統計学的なデータ)では設定しないことにした。送っている生活が異なる人たちを性・年代だけで一括りに定義するのは、やや乱暴なところがあるからだった。

 同社は設定したターゲットは「あれもしたい、これもしたい、でもビールだって楽しみたい」という“やりたいことがたくさんある人”。具体的には、仕事や家庭のことをこなし趣味にも打ち込み日々忙しいけど、ビールだって飲みたいという人のことである。

「本を読んだり勉強したりしたいと思っていても、ビールを飲んで酔ってしまい何もできなくなるのではなく、飲んだ後もいろんなことが楽しめる生活をしたいと考えている人をターゲットにすることにしました」

 このように明かす玉手氏。事前のコンセプト調査で一定程度の評価が得られ、社内でも目立った異論は聞かれなかった。

 アルコール分については、当初は4%も検討していた。3.5%に決めたのは調査結果を踏まえてのことだった。玉手氏はこのように話す。

「消費者調査で、『3%台なら普段飲んでいるビールと違うと認識できる』と言われた方がいました」

 この声の背景には、普段飲んでいるビールのアルコール分が「わからない」と答えた人が多いといったことがあった。そのような人たちにアルコール分4%のビールを飲んでもらうと、いつも飲んでいるビールと「変わらない」と反応されかねない。変わったことを明確に印象づける意味から、アルコール分は3.5%とすることにした。

アサヒビール
マーケティング本部ビールマーケティング部
担当副部長
玉手健志氏

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