車内で快適に寝られるマットやプライバシーを守るカーテンも必須
車内避難、車中泊を念頭に置けば、シートのフラットアレンジ時に、より快適に寝られるようになる車種専用マット、あるいは汎用マット、車内のプライバシーを守れる車種専用のプライバシーシェード、汎用カーテンなどもあるといい(サイドやリヤウインドー用だけではなく、フロントウインドーを含めた全周を覆うものでないと意味なし)。災害が起こってから揃える、では、絶対に遅いのである(店頭で買うことも、通販で買うことも難しいだろう)。
万一に備えガソリン満タン&満充電を心がけたい
本稿の最後に災害時に車内に避難する場合の注意点をふたつ挙げたい。まずは日ごろから、ガソリンは満タン、電気自動車の場合は満充電にしておくこと。わが家が3.11東日本大震災で被災したときも、近隣のガソリンもまた被災し、給油できるまで数週間を要したし、足を伸ばして営業しているガソリンスタンドを見つけても長蛇の列だったからである(1台5/10Lしか入れられない制限もあった)。電気自動車で自宅に充電設備があったとしても、停電していれば自宅充電はできない。
もうひとつは、車内をシートアレンジする際、緊急時の移動のために運転席はすぐに運転、走り出せるようにしておくことだ。自宅の駐車場で、クルマが無事でいても、度重なる本震、余震で家の壁が崩れそうだ・・・というときに、すぐにでも移動できる体制が取れることも重要なのである。
次回以降は、具体的な災害時の車内避難、車中泊に向くクルマの紹介、日ごろから車内に積んでおきたい季節に合わせた災害時用アイテムの数々などについても詳しく紹介させていただきたい。
文・写真/青山尚暉・雪岡直樹