玉川さんの予想する2024年の高齢者労働環境は?
誰もが働かざるを得ない時代に。だからこそ好きなことを、死ぬまでやろう!
2024年以降も含め、もっと働く高齢者は増えるでしょうね。それは数の増加もありますが、暮らしが厳しくなることも要因です。働かないと生活が苦しくなる。どうせ働かないといけないなら、好きなことやりましょうよ。子供の頃から人生を振り返ってみたら、ひとつやふたつくらい、楽しかったことや好きなことはあるはず。そういうものを仕事にできる工夫をすればいい。例えば野球が好きなら、球場でバイトしてもいいじゃないですか。大きなお金にならないかもしれないけど、年金などで多少はあるわけだし、楽しさを優先すべきです。60歳過ぎてからでもいいけど、できればもっと前から探したほうがいいと思いますね。
マッチング成功事例続出!高齢者人材と企業をつなげるサービスたち
定年後も働きたいけれど、働き口が見つからない人を対象にしたサービスが自治体を中心に増えている。デジタルを活用したきめ細かなサポートにより、高い成果を挙げている事例を、編集部が取材した。
約50%がマッチング!
静岡県浜松市『シニア専用デスク』
浜松市役所のジョブサポートセンター内に2022年4月に新設した『シニア専用デスク』は、おおむね55歳以上を対象にした就職相談窓口だ。人材紹介会社に業務委託したことで、専門支援員によるきめ細かなカウンセリングや個別最適化された「オーダーメイド求人」が可能に。22年度は194人の支援を行ない、うち95件が就職先の斡旋に成功している。
カウンセリングや求人情報の提供など求人者へのサポートはもちろん、企業側の採用後フォローアップ支援などにも取り組んでいる。
地域の高齢者人材と求人や地域活動をマッチング!
『GBER』
東京大学先端科学技術研究センターが開発した『GBER』は、高齢者の地域活動をサポートするウェブプラットフォームだ。空いた時間に、好きな場所で、自分のスキルに合わせた仕事ができる「モザイク型就労」を特徴とする。千葉県柏市や東京都世田谷区、福井県などで実証試験を行なっており、延べ6000人近くの社会参加を達成している。
高齢者向け就活イベント
東京都『シニアしごとEXPO』
東京都が東京労働局と連携して実施している高齢者向け就業支援イベント『シニアしごとEXPO』は2018年から実施しており、4回目となる今年は10月に新宿と八王子で開催された。ハローワークなどの就業相談ブースをはじめ、企業の就業体験コーナー、シニア向け健康測定コーナーなどが催されたほか、合同就職面接会も同時に開催された。
セカンドキャリアの知識を学ぶ「東京セカンドキャリア塾」では講師に片岡鶴太郎さんが登壇したほか、由美かおるさんのトークショーも実施された。
LINEで手軽かつ無料でオンライン相談!
兵庫県神戸市『シニアキャリア相談・就労支援事業』
高齢者を対象とした、オンラインおよび対面による就労支援サービスが2023年7月にスタート。LINEに登録して相談ボタンからスケジュールを入れるだけで、キャリアカウンセラーとのオンライン相談ができる。またAIを組み合わせたマッチング機能やセミナー情報の提供など、豊富なサービスが受けられる。
取材・文/桑元康平