2022年10月に始まった、産後パパ育休。男性従業員が子どもの産後8週間以内に4週間を限度として2回に分けて取得できる「出生時育児休業」だ。休業中は出産後、パパとして新生児の育児に向き合う期間でもある。実際、ある一人のパパが苦労に直面した。特に新生児の肌荒れ、おしりケアに悩んだことをきっかけに、研究開発者であったことから、自ら肌のふき取り用 ミストローションを開発。苦労や悩みは仕事に生かされ、さらに世の中の子育て層への貢献にもつながった。
今回はその当人に、初めての育児の体験談から開発に至った経緯までを聞いた。
初めての子育てに大奮闘
「ママ&キッズ」「レドナ」などの化粧品ブランドを展開する株式会社ナチュラルサイエンス。その研究開発部で、製品の処方開発を担当している男性従業員 澤田真吾氏は子どもを授かり、産後パパ育休を取得。しかし初めての育児は思った以上に大変だったという。
「現在は二人の娘がいますが、一人目が生まれたときは初めてで慣れないことも多く、かなり苦労しました。夜通し寝てくれず、1時間おきに夜泣きしてしまうことがしばらく続くなか、共働きだったので妻と仕事との両立に大奮闘の日々。
一人目の子は肌も弱かったので、自社のスキンケア製品に助けられていたのですが、おむつ替えの頻度が高くおしりが荒れてしまい、あまりに真っ赤になったときは焦りました。感染やストレスからか、家族3人で胃腸炎にもなってしまったこともありました」
新生児期のおむつ替え時に課題を発見
そんな苦労があったからこそ、研究開発職としての仕事の芽を見つけることもできたという。
「新生児期はおむつ替えを毎日、何十回と繰り返します。軟便なので、シート状のおしりふきでふき取ることによる肌への摩擦やダメージがとても気になっていました。
子どもが胃腸炎にかかるとおむつ替えの回数が多くなるため、おしりが赤くなってかぶれてしまい心配に。普段使う保湿製品に加え、肌に負担をかけずにやさしくきれいに、追加のケアができるアイテムがあったらいいなと感じました。
さらに外出した際のおむつ替えでウンチがおしりにこびりついてしまったときなどには、おしりふきだけでは心細いことも。そこでシャワーの代わりになるような機能があれば尚良いと感じたのです」