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パンデミック後の海外からの日本の求人検索割合は以前の水準を下回り停滞、国際的な人材獲得競争に課題

2023.12.13

3. 米国からの関心に大きく左右されるが、ベトナムや中国からの関心の着実な伸びがむしろ鍵

日本に対する海外からの検索割合と2019年から2023年の検索割合の成長率を出身国別に示したもの。出身国全ての検索割合及び上位10カ国の検索割合を掲載。

海外から日本の仕事を検索する外国人求職者を国別で見ると、米国の比率が大きい(24%)ため、海外から日本への求人検索数は米国からの関心に大きく左右される。

米国から日本への求人検索割合は2019年と2023年を比較すると56.5%も下がった。これは、円安や全体的な賃金上昇率の鈍化などによって、求人検索先として日本の人気が相対的に落ち込んだためと考えられるが、米国国内の労働市場自体の規模やトレンドの影響も大きいと考えられる。

一方で、外国人労働者の出身国で上位のベトナムと中国からの日本への関心は伸びていることがわかる。2019年と2023年を比較すると、検索割合は、ベトナムで71.5%、中国で81.9%上昇した。

4. 海外からの関心が高い職種は多様であるが、職種選好の変化に留意する必要がある

 

各出身国からの日本の求人へのクリック割合を職種カテゴリ別に算出し、上位5職種カテゴリを示したもの。「上昇/下降」は2023年のクリック割合が2019年のクリック割合から上昇しているか下降しているかを表す。

米国・ベトナム・中国それぞれの求職者からの、日本の求人への職種カテゴリ別の関心を分析すると、特にベトナム出身者の関心のある仕事が年々変化してきていることが注目される。

パンデミック前には関心の強かった「製造」「建設」への関心は年々減少傾向であるのに対して、2019年時点では関心がそれほど高くなかった「事務」「小売り」「ソフトウェア開発」への関心が最近では高まっている。

「製造」への関心は2023年時点でも根強いものの、ベトナムの求職者が関心をもつ仕事は、ベトナムの経済成長等により、ナレッジワーカーの仕事に徐々にシフトしており、米国や中国出身者が関心をもつ仕事と似通ってきていることを示唆している。

■結論〜国際人材を獲得したい場合は、日本の仕事の魅力をより打ち出す必要あり

ベトナムや中国など日本の仕事に対する関心が少しずつ高まっている国もあり、人材獲得に向けては期待が高まる。一方で、ベトナム出身者が関心を寄せる職種が日本の強みである製造業からITなどに変化していることによって、製造業の採用企業などにとっては、従来よりも採用のマッチングが難しくなる可能性もある。

多くの国が人材不足に直面していることで、国際的な人材獲得競争が高まってきている昨今、企業が国際人材の獲得を目指す場合には、日本での仕事の魅力をより高めていく必要があるだろう。

IT人材獲得に向けては、米国のソフトウェアエンジニアを他国が積極的に招致している取り組みのように、他国の事例を学び、海外からの人材獲得戦略に活かしていくことも重要と言える。

また、外国人が海外から日本の求人を探す際の求人検索ワードを分析すると、外国語やITスキル等の検索ワードが多く、スキルに重きをおいて仕事を探す傾向にあることが確認される。

このように、企業は検索ワードの情報を求人に活用することで、国際人材を惹きつけるチャンスに繋がるかもしれない。

Indeed Japan Hiring Lab エコノミスト 青木雄介 氏
2012年東京工業大学工学部卒、2013年英国UCL(ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン)経済学修士。その後、外資系コンサルティングファーム等でエコノミスト・データサイエンティストとして政府・民間・司法機関に向けた経済統計分析及び報告書作成に従事。2022年8月より現職。Indeedのデータを活用してOECD各国及び日本の労働市場を分析し、外部関係者に向けて分析結果・インサイトを発信している。

関連情報
https://jp.indeed.com/press/releases/20231206

構成/清水眞希

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