業務量の適正化には権限申請を求める
以外に前提から外れてしまうのは「組織は一定の機能があり、誰かがやらないと機能不全に陥る」という事です。誰かが責任を持たないといけない仕事があり、それを果たすために私達は日々創意工夫を求められます。これを識学では責任と権限を一致させるといいます。
組織には誰かが負わないといけない責任があるという前提に立つと、仕事を減らして業務時間を抑えるというアプローチは極力避けたいです。では識学ではどのように考えるかと言うと「責任と権限が一致していない」とします。
上記の考えでは、自身に与えられた仕事を果たすために「どういう権限(環境)」があったら達成できるのか?ということを1番最初に考えます。つまり責任を果たすためにはどういう状況だったら良さそうか?ということを考えさせるということになります。
例えば営業部長の営業予算を突然2倍にしたらどうでしょうか?「なんてめちゃくちゃな」と思うかもしれません。しかしそこに付随して「マーケ費用を2.5倍にして良い」「思い切って〇〇まで値引きして良い」「優良大手顧客を◯社任せる」等があるとどうでしょうか?当然、上記のような大きな権限は渡せないことが多いですが、大切なのは諦めずに必要と思うことを手を変え品を変えトライし続けることです。求め続けることでいつか権限の取り方がわかるようになります。
評価に組み込む
皆様はお仕事をする時に、何を気にしてお仕事をされていますでしょうか。お仕事をする上で気にすべきことは様々ありますが、重要なものの一つとしてよく上がるのが評価/目標ではないでしょうか。業務量をコントロールする上では評価に組み込み活用することが重要です。
ではどのように評価に組み込んだら良いでしょうか?
考え方としては「同じ結果でも時間が短いほうが良いとする」です。例えば同じ100万円売上を上げるということでも、1ヶ月で作る100万円と1日で作る100万円、金銭的価値は同じでも、組織の生産性という意味では大きく価値が異なります。ここのポイントを評価に反映させるにはどのようにしたら良いでしょうか。
私はよくお客様に下記のフレームワークでご提案することがあります。
・評価点=結果/(実残業時間/残業基準時間)
時間は有限であり、会社としても各お仕事に対してこれくらいの時間でやってほしいという暗黙の基準は必ずあります。その基準を仮でも良いので置いてあげて、結果に対して上記の式で計算をしてあげることになります。
こちらであれば、実残業時間が増えれば増えるほど評価点が下がるため、より短い時間で結果を出せるように集中することが自身の評価につながるようになります。
組織において評価という機能は非常に大きな意味を持ちます。そのため評価に時間あたり生産性という考え方を組み込むことで、目標に向かう際に時間圧縮の必要性を作ることが可能になります。
※注意点として、上記の評価をする際は、良くも悪くも正しく労働時間を登録する必要があります。そのため事前にルールに対する遵守意識を高める必要がございます。
いかがでしたでしょうか。
今回は識学というメソッドを用いて「部下の生産性を上げるために、まず整えるべき仕組みとはなにか?」として下記の4つをご紹介させて頂きました。
■業務量をコントロールするのは部下
■まずは可視化する
■業務量の適正化には権限申請を求める
■評価に組み込む
上記の4つは本日からはじめられる内容もございます。ぜひ皆様の組織において良い情報提供になっていましたら幸いでございます。
文/識学 城野康介
この記事はマネジメント課題解決のためのメディアプラットホーム「識学総研」による寄稿記事です。