あなたの強みを高く売るには？自分の強みを見つける新しいキャリアデザイン術「AMM」

サーチシートで探す自分の強み

自分の中に眠っている新たな強みを発見して、それを必要としている人に出会い、伝えるまでの自己プランニングツールであるAMM。これを見出すために開発されたのが、AMMサーチシートである。

これまでの自己啓発ツールでありがちなのが、自己分析すればするほど、無力感や事故喪失感を感じてしまう点である。AMMではそうした過去のスキルや経験にとらわれず、働く側が創造的に自分の本当の強みや可能性を見出すことが可能になる。

従来の考え方や方法論ではなく、自分でも忘れていた強みを発掘して、自信を回復する新しいアプローチなので、過去の失敗に囚われることが無い。前向きに胸を張って市場に売り出すことができるようになる。

そのために、まずは上記の表を埋めていこう。コツは順番に記入することと、できるだけ短い言葉で端的に表現し、全体を俯瞰できるようにするのがポイントである。また、シンプルではあっても、なるべく具体的に書くことが大切である。

AMMのサーチシートが完成したら、全体を俯瞰して項目同士の関連性に注目していくことで、自分自身が納得できるキャリアイメージが自然に見いだせるようになる。腑に落ちないと感じる人は時間を空けて再トライすると、自分でも納得できる、どんな人でも必ず新しい自分の強みが見えてくる。

価値を伝える技術PASBECONA

さらに強みを他者に売るためには伝え方が重要になってくる。良いものをもっていても、その価値を上手に伝えられなければ、買ってもらえない。「何をどういう順番で伝えるか」という課題を解決してくれるのが、神田さんが開発したパスビーコーナ(PASBECONA）の法則である。

Problem（問題）読み手が抱える問題点・痛みを提示する
Affinity（親近）読み手の状況に理解を示す
Solution（解決）解決策を提示する
Benefit（利益）それを買うとどんないいことがあるのかを示す
Evidence（証拠）それが機能する証拠を示す
Contents（内容）詳しい商品・サービスの内容を提示する
Offer（提案）それを手に入れるための販売条件を提示する
Narrow（適合）自分の価値観にあるように顧客を適合させる
Action（行動）具体的な行動を呼びかける

PASBECONAの法則は企画会議などで、相手に理解を促す時にも役に立つ手法なので、ぜひ知っておきたい。

PASBECONAの順番に則って伝えることで、相手の理解を得ることが可能になる。正しく理解できれば、その価値を買ってくれる人は必ず現れる。

強みを知り、それを相手に伝えることができれば、どんな未来が訪れようと、お金に変えることができる。生涯にわたって、自らの力で稼ぐことができる自信は、私達の未来を明るくしてくれるだろう。

神田さんと衣田さんは特に「自分を売り込むのは、もう疲れた」というベテラン社員、あるいは「自分が夢中になって取り組める仕事って何だろう？」と考えても、パッと答えが浮かばない若手社員にはぜひAMMを勧めたいと言う。

人生100年時代、「ずっと自分らしく働きたい、やり甲斐ある仕事に出会いたい」と願うすべての人に、活躍し続けられるキャリアと人生を手に入れることができるAMM。新刊書ではサーチシートの詳しい書き方を、よりていねいに解説している。

著者
神田昌典（かんだ　まさのり）さん
経営・マーケティングコンサルタント、作家
アルマ・クリエイション株式会社 代表取締役
NPO法人学修デザイナー協会 理事
ペンシルバニア大学ウォートンスクール経営学修士。
日本発創造的課題解決法「フューチャーマッピング」の開発者であり、世界最大級の読書会「リードフォーアクション」創設者。読書会という、誰にとっても身近で、気軽な取り組みを通して、事業課題の解決や、組織課題の変革、まちづくりまで行う。「大阪・関西万博2025」では、共創パートナーとして登録し、探究学習の普及を推進している。
総合ビジネス誌で「日本のトップマーケッター」に選出され、2018年には、国際的マーケティング賞として著名な「ECHO賞」の国際審査員に抜擢される。
主な著書に『未来実現マーケティング──人と社会の変革を加速する35の技術』（PHPビジネス新書）、『コピーライティング技術大全』（ダイヤモンド社）、『非常識な成功法則』（フォレスト出版）など、約100冊の著作をもつベストセラー作家である。

衣田順一（きぬた　じゅんいち）さん
マーケティング・コピーライター
アルマ・クリ エイション株式会社 ディレクター
鉄鋼メーカーの住友金属工業株式会社(現・日本製鉄)にて、営業室長・企画部上席主幹(部長級職位)として組織をリード。脳性麻痺の子どもへの対応から時間と場所の自由がきくセールスコピーライターという仕事に出会う。クライアントと買った人両方に喜んでもらえる点に惹かれ、また、営業・企画の仕事との共通点も多く、これまでの経験と強みが活かせると考え退職・独立。
再現性のあるコピーライティングを目指し、LP（ランディングページ）の訴求力を客観的に評価できる特許技術を発明。神田昌典と共著で『コピーライティング技術大全』（ダイヤモンド社）、『売れるコピーライティング単語帖』（SBクリエイティブ）を上梓。
これまで870人以上、のべ3700回以上のコピーのフィードバックを実施。改善ポイントを的確に見抜くことに定評がある。コピーライティングの適用範囲を広げ、多くの人が活用できることを目指している。

文/柿川鮎子