「睡眠離婚」で気になる夜のアレ
ここで気になるのが、夜の営み問題だろう。
我々夫婦は結婚後10年を迎え、すでに夫は空気となっているから支障はないが、新婚カップルの場合そういうわけにもいかない。
結婚後すぐに「睡眠離婚」をスタートさせた夫婦を何組か知っているが、どの夫婦も子どもが産まれ、家族で仲良く生活している。そこで、このコラムを書くことをいいわけにして、普段なかなか聞けない、夜の営みはどうしているのかについて聞いてみた。
すると、どのカップルも「そういう気分のときは、どちらかの寝室で一緒に寝る」という。なるほど、わかりやすくていいかもしれない。逆に、そういう気分でないなら、別に寝るだけ。実に合理的だと感心してしまった。
2年間の「睡眠離婚」で見えてきたこと
夫と寝室を別々にしてきた2年間で気がついたことがある。それは、私にとって「睡眠離婚」はメリットしかない点。
布団は、私が唯一独占できる、私専用のスペース。もっと言うと、今の私には欠かせないリラックス空間。布団を出して横になると、なぜかいつもホッとする。
子どもがいない夫婦2人だけの生活ではあるが、日常生活は常に共同生活。長い年月で、ずいぶん合うようになったとはいえ、やっぱり考え方は違う。夫は完全否定をしそうだが、やっぱりお互い一緒にいることでストレスを抱える瞬間はあると思う。
そんなストレスをうまく相殺してくれるのが「睡眠離婚」なのだ。
■結局のところ「睡眠離婚」は良いことなのか
とはいえ「睡眠離婚」は良いか、悪いかという話ではないと私は考える。
生活パターン、考え方、コミュニケーションの方法などカップルごとに事情は違う。だから、どこでどうやって寝るか、色々とパターンはあっていいし、お互いが一番リラックスする方法はなにか、時間をかけて見つけることはとても大切だと思う。それにまた、我々夫婦にも「睡眠離婚」を解消する日がくるかもしれない。
最後にひとつ、先ほど紹介した「夫婦の暮らしに関する調査(2022年)」の結果で興味深いデータがあったので、お知らせしたい。それは別室で寝ている人に「配偶者・パートナーと同じ寝室で寝たいか」と聞くと、16.3%は「同じ寝室で寝たい」と回答したということ。
これを少ないと感じるか、多いと感じるか。ぜひ、パートナーとお互いの感じ方を話してほしい。
文/小関いくえ
1967年生まれ。東海大学文学部史学科で西洋史を学ぶ。建築関係雑誌で執筆活動をスタート。現在はフリーライターとして企業の広報誌などを手がける。運動音痴でありながらラグビー観戦が趣味で、年間観戦数は20ゲーム超。