11月5日日曜日、東京・三軒茶屋のロック・バー「スメルバー」で、レッド・ツェッペリン『Ⅰ』『Ⅱ』のレコード聴き比べ会を行った。レコードは全て僕の所有アイテムだ。
「スメルバー」のオーディオ・システムは、スピーカーがJBL4312、プレーヤーはテクニクスSL1200、アンプとカートリッジは把握していないが、スピーカーやプレーヤーとバランスの取れた製品だろう。4312は現行のGモデルでヨドバシ価格税込176000円(17600ポイント付与)、SL1200は現行のMK7モデルでメーカー希望小売価格税込120000円と、目が飛び出るような高級機ではない。僕が隔週刊『FMレコパル』改め月刊『レコパル』編集部に在籍した1994年前後、“CDプレーヤーとアンプとスピーカー3点合計で30万円のシステムならいい音が出せる”という切り口の特集を何度か組んだが、「スメルバー」のシステムは音楽&オーディオ好きが組む“真っ当な”組み合わせと言える。なおCDプレーヤーの機種も把握していないが、価格的にはアナログプレーヤーと同クラスとのことだ。
参加者にあらかじめお配りした、『Ⅰ』聴き比べのトーナメント表。
自宅のシステムと聴き比べると差は歴然!
当日の参加者は8名、スペースをゆったりとっているので店内は満席だ。まずは『Ⅰ』から聴き比べる。日本初盤(グラモフォン)、ジミー・ペイジがリマスターを手掛けた2014年盤、UKマト1/ターコイズ無修正、UKマト1/修正、USマトA/A(PR工場)、USマトA/C(PR工場)、USマトC/C(PR工場)の7枚を用意した。2枚ずつ聴き比べて、参加者に音がいいと思う方に挙手していただく。上のトーナメント表の組み合わせで対決、勝ち上がりして、いい音NO.1を決める(マト1ことマトリクス1についてはこちらを参照)。
『Ⅰ』の試聴曲は、「グッド・タイムス・バッド・タイムス」だ。1回戦第1試合、日本初盤vs2014リマスターで開始する。この日本初盤は裏ジャケットにメンバー4人の顔写真があるが、ジミー・ペイジ以外の3人は顔と名前が一致しないという珍ジャケだ。
僕はこういうイベントを行う際、前もって自宅のシステムで聴き比べる。この両者の差は歴然としていた。聴き比べの場では先入観で判断することがないよう、どちらを先にかけるかは参加者に明かさない。曲が流れるや、リマスターだと即断できた。自宅で聴いた日本盤は恐ろしくプアな音だったのですぐわかる。ところがレコードを変えると、こっちの方が断然いい。となるとこれは? 参加者全員が後者に挙手。もちろん後者がリマスターだ。それでもオーディオによっては、日本初盤がこんなによく聴こえるとは新鮮な驚きだった。ちなみに僕のシステムは一般的にはかなりハイ・グレード、カートリッジの現行モデルは税込価格308000円なり。