高ストレス者率が最も高いのは、平均睡眠時間が5時間未満の群
高ストレス者率とは、実際に受検をした人の中で、高ストレスと判定された人がどれくらいいるかを示した割合。
<高ストレス者とは>
・ ストレスの自覚症状が高い人
・ ストレスの自覚症状が一定程度あり、かつ仕事の負担と周囲のサポート状況が著しく悪いと判定された人
図3は高ストレス者率を平均睡眠時間別に算出したものだ。
図3
高ストレス者率が最も高かったのは、平均睡眠時間「5時間未満」の群で、全体の29.9%を占めていた。一方、高ストレス者率が最も低かったのは、平均睡眠時間「7時間以上9時間未満」の群で、高ストレス者率は7.4%だった。
高ストレス者率の傾向も、総合健康リスク同様に、平均睡眠時間「5時間未満」の群が最も悪く、「7時間以上9時間未満」の群までは睡眠時間が長くなるにつれ高ストレス者率は低くなり、9時間以上で再び高ストレス者率が高まる結果となった。
平均睡眠時間「5時間未満」の群は仕事の量的負担と質的負担の不良回答率が高い
ここまで見てきたように、平均睡眠時間「5時間未満」の群は、高ストレス者率が最も高いことがわかった。
その中で、特に不良な回答をしている割合の高かった設問を示したものが、図4「平均睡眠時間5時間未満の群における不良回答設問」だ。
図4
図4のとおり、不良回答率の最も高かった設問は「かなり注意を集中する必要がある」、以下「一生懸命働かなければならない」、「非常にたくさんの仕事をしなければならない」が続く。
仕事量の多さや、仕事で注意集中を求められるなど質的な業務負担から、そのストレスが仕事以外の時間にまで悪影響を及ぼしていると感じている人が多いことが考えられる。
調査結果まとめ
平均睡眠時間と総合健康リスク、ストレス度合いの関係性を調査した結果、「総合健康リスク」「高ストレス者率」ともに、平均睡眠時間が「5時間未満」の群が最も高く、「7時間以上9時間未満」の群が最も低い結果となった。
このことから、日々の生活習慣とストレスは密接に影響しあっており、一人ひとりが適切な睡眠時間を確保できていることが、部署や会社全体としての総合健康リスクを下げること、また高ストレス者を減らすことにつながると考えられる。
ただし、平均睡眠時間が「5時間未満」の群の不良回答率の高い設問からもわかるように、適切な睡眠時間を確保するためには、個人として良い生活習慣を心がけるだけでなく、会社として適切な睡眠時間が確保できるよう環境を整えることも大切だ。
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調査概要
調査期間/2022年4月1日~2023年3月31日
調査対象/ドクタートラスト・ストレスチェック実施サービス2022年度契約企業・団体の一部
有効受検者数/5637人
※本件の高ストレス者率の全国平均は41万352人に占める高ストレス者の割合です。
関連情報
https://www.stresscheck-dt.jp/stella/
構成/清水眞希