ドクタートラストが運営するストレスチェック研究所では、ストレスチェックサービスを利用した累計受検者163万人超のデータを活用し、さまざまな分析を行なっている。
今回は2022年度にストレスチェックサービスを利用した受検者のうち、「平均睡眠時間」についての回答が得られた約5600人のデータを解析。平均睡眠時間と総合健康リスク、ストレス度合の関係性を調査したリポートが発表されたので、その概要を紹介したい。
図1
図1は平均睡眠時間の分布を示したもの。最も多かったのは「5時間以上6時間未満」、以下「6時間以上7時間未満」、「5時間未満」と続く。
総合健康リスクが最も高いのは平均睡眠時間が「5時間未満」の群
総合健康リスクとは仕事のストレス要因から起こり得る疾病休業など健康問題のリスクを示す指標のこと。基準値を「100」として、数値が高いほど高リスクと判断される。
たとえば総合健康リスクが「110」の場合、その集団は、健康問題が起きる可能性が平均より「10%高い」ことを示している。
総合健康リスクを平均睡眠時間別に算出したものが図2「平均睡眠時間と総合健康リスク」だ。
図2
図2のとおり、総合健康リスクが最も高いのは、平均睡眠時間が「5時間未満」の群であり、同リスクは119(疾病休業の発生リスクが平均より19%高い)だった。
また、同リスクが最も低いのは「7時間以上9時間未満」の群で、同リスクは79(疾病休業の発生リスクが平均より21%低い)となっている。
平均睡眠時間が長くなるにつれ、総合健康リスク値は低くなる傾向が見られたものの、9時間以上では一転、わずかに高まった。