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リアルの充実なくしてバーチャルの成功なし!?「スマートテンプル」時代をリードする築地本願寺のDX戦略

2023.11.13

お寺とDX、この二つが意外にもマッチして、所属する僧侶にも、浄土真宗を信仰する門信徒にも、また、お寺に関係のなかった若い人たちにも、嬉しいイノベーションをもたらしている。スマートテンプルをけん引している築地本願寺の責任役員 東京教区教務所長 副宗務長の東森尚人(ひがしもりしょうにん)さんに、お寺のDX化の苦労と成果について取材してみた。

お寺は厳しい修行の場

少子高齢化で人口が減り、単身世帯が増えて、家に仏壇の無い家が増えた。お墓参りに行く機会が減り、お寺で手を合わせる機会といえば、観光地の寺院である。入学や転勤で故郷を離れる人も増えて、檀家制度も崩壊しつつある。

東森さんはこうした状況を憂い、「お寺は斜陽」と言われて久しいと言う。約5年前のアンケートによると、浄土真宗を知っている人は全体の約98%と高い。しかし、その教えの内容を具体的に知っている人はわずか約30%程度で、さらにその中で宗祖の親鸞聖人の言葉を記した歎異抄を知っている人は、半数程度だった。東森さんはじめ関係者は、こうした数字に、危機感を抱いている。

「数字でも明らかなように、今まで通りにやっていたら、教えは広まらないどころか、地方ではお寺自体が消えている。教えを伝えに、こちらから積極的に働きかける必要があります」と東森さんは言う。

積極的に外へ出るという考えはもっていたものの、お寺の大半が伝統的かつ保守的な体質をもち、新しい取り組みを始めるのが苦手である。苦悩の真っただ中の2015年、代表役員宗務長に安永雄玄氏(現西本願寺執行長)が就任した。

ケンブリッジ大学大学院博士課程修了(経営学専攻)で三和銀行(現三菱UFJ 銀行)やラッセル・レイノルズ社などに勤務していた安永氏は、古いお寺の業務体質を変えようとトップダウンでぐいぐい改革を進め、DXを積極的に推進していった。

「もともとお寺は修行の場です。築地本願寺の宗旨である浄土真宗には僧侶に厳しい修行を課す『戒律』はありませんが、それでも築地本願寺は宗派の中でも体育会系で厳しいと有名なお寺でした。私が2018年に京都から築地へ異動した時、周りの人から『大変だね』と心配されたほどです。そんな厳しく伝統的な体質の中、新しいトップの就任は、まさに黒船襲来ともいえる出来事だったと思います」と、東森さんは当時を振り返る。

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