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リアルの充実なくしてバーチャルの成功なし!?「スマートテンプル」時代をリードする築地本願寺のDX戦略

2023.11.13

もともと革新的な思想には馴染みやすい浄土真宗本願寺派

混乱はあったものの、東森さんは、築地本願寺の成り立ちや浄土真宗の開祖、親鸞聖人の教えから、ここが新しい気風を受け入れる素質はあると信じていた。

「そもそも築地本願寺は、今から約400年前の1617年江戸時代初期に浅草横山町(現在の日本橋付近)に京都西本願寺の別院『江戸御堂』として建立されたのですが1657年の、明暦の大火で焼け、当時海だった現在の土地を埋め立て、移転してきました。この埋め立て工事こそがこの土地が『築地』と呼ばれるようになったゆえんなのですが、全く新しい未開の地への移転は、とても勇気のいる判断だったと思います。

さらに100年前の関東大震災に伴う火災で、前身の木造の本堂が焼け落ちました。当時の宗主であった大谷光瑞(こうずい)氏は、当時では革新的で斬新なデザインの建築を得意とした、東京帝国大学の伊東忠太博士に設計を依頼しました。耐火性の高いコンクリートを用いて、『誰もが入れて、イスに座る方式が良い』と、非常に特色のあるデザインを取り入れたのです。

浄土真宗本願寺派は関東圏では特にマイノリティなので、人々に受け入れてもらえるよう、考えた結果だったのではないかと思います。建造物は仏教発祥の地である古代インドなどの建築洋式を取り入れています。仏教の淵源を感じられるモチーフです。当時の人々にとっては、とても新鮮に感じられたと思います。

こうした新しいものを取り入れ、人々に伝えていくという心がベースにあったからこそ、新しい技術やイノベーションを取り入れることが可能だったと思います」と東森さん。

同時配信は世界中のビジネスパーソンに人気

築地本願寺のDXの目的は、「人々に伝えること、寄り添うこと」である。仏教の教えはもちろんのこと、お寺に関する様々な情報発信をして、人々の心に寄り添うことを目指したのである。

象徴的なのがライブ配信だった。2019年からスタートして、お寺のリアルを外へ伝える新しい取り組みとして、注目されている。

コロナによる外出制限もライブ配信の背中を押した。お参りに行けない参拝者のための、法要や法話のライブ配信は、現在も好評である。「赤ちゃんがいるからわが家で参列したい」という子育て中の若いカップルや、築地本願寺のお経ライブの視聴を日課にしている、海外在住のビジネスパーソンもいる。お経を利用して心を整え、マインドフルネスに活用されている。

築地本願寺アプリも人気で、現在ダウンロード数は約11,500回(10月末現在)。僧侶が悩みや相談に応えたり、僧侶や関係者によるコラムや仏教・浄土真宗の教えを分かりやすく解説する記事が掲載されている「お寺マガジン」は人気コンテンツとなっている。アプリからワンストップでライブ配信を視聴できる機能も便利で、まさにスマートテンプル時代の到来、を感じさせるアプリとなっている。

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