あたらない牡蠣
牡蠣の種苗生産・養殖、卸販売、オイスターバーの運営など牡蠣の6次産業化を行う株式会社ゼネラル・オイスターのグループ会社、株式会社ジーオー・ファームが、ノロウイルスフリーの「エイスシーオイスター2.0」を2023年8月に発表した。
海洋深層水を活用した牡蠣の完全陸上養殖に成功したもので、世界初だという。
沖縄県久米島にて、人に害を与えるウイルス、細菌類、貝毒などの病因を含まない海洋深層水を使用し、完全陸上養殖の環境下で生育された牡蠣となることから「あたらないカキ」と呼んでいる。外部検査機関におけるノロウイルス検査実施済みだという。
牡蠣の食中毒リスクをなくすためには、牡蠣を汚染しているウイルスの完全な除去方法、もしくはウイルスを殺滅する浄化方法を開発するか、ウイルス汚染のない環境での牡蠣の飼育が必要とされてきた。
あたらない牡蠣「8TH SEA OYSTER 2.0」イメージ
そこで同社は完全にノロウイルスが存在しない海水として、海洋深層水を養殖海水に使用する方法に行き着いた。しかし海洋深層水には牡蠣の餌となる微細藻類(植物プランクトン)も存在しないことから、海洋深層水の清浄性と富栄養性を活用した微細藻類の大量培養技術や無菌培養技術の研究を進め、2013年には東京大学生物生産工学研究センターとの共同研究で、海洋深層水を活用した微細藻類の大量安定培養技術を確立した。
あたらないカキは「8TH SEA OYSTER 2.0」と名付けて、ブランド化を図る展望だという。