生成AIのマーケティング活用を切り開く電通デジタルの「∞AI」とは？

広告クリエイティブ制作の4つのステップを支援する「∞AI Ads」

「∞AI Ads」は、デジタル広告の運用型広告において、広告クリエイティブ制作のプロセス「訴求軸発見」「クリエイティブ生成」「効果予測」「改善サジェスト」の一連の流れを途切れることなく支援し、バナー広告や検索連動型広告の改善に寄与するアプリケーションとなっている。

すでに2022年12月より一部企業への先行導入を実施し、「改善サジェスト」機能などを反映することにより、CPA（1件のコンバージョンを獲得するためにかかった費用）が50%以下に削減される事例もあり、大きな成果を創出しているという。

改善案の提案としては「カラーの変更」「価格を強調する」「配置を変更する」などが行なわれる。

企業独自の対話型AIを簡単に作れる「∞AI Chat」

企業の独自データを活用し、ユーザーへのパーソナライズ対応を実現した対話型AI開発を支援するアプリケーション。ウェブサイトやLINEなどのコミュニケーションツールとの接続が可能なため、顧客や従業員とのコミュニケーションの質と効率の向上を支援する。

企業は、企業の独自データをCSVやpdf形式でシステムにアップロードするだけで、簡易に対話型AIを作成することができる。アップロードされたデータは自動で構造化（重要な情報のみ抽出）され、対話の精度向上やLLM（Large Language Models：大規模言語モデル）使用コストの削減にもつながる。

企業に新たな価値を提供する「∞AI Contents」

電通デジタルがこれまで培ってきたクリエイティビティを活かし、AI活用によるバーチャルヒューマンやオウンドメディア構築など、ユーザーエンゲージメントを高めるサービス・プロダクトを提供する。多くの実績を有する当社の500人を超えるクリエイターがプランニングならびに実装支援を行なう。

例えば、過去の会話データや企業データに加え、対象者の表情や仕草、声サンプルをAIに学習させることによって、自然な会話を実現するバーチャルヒューマンを生成し、ユーザー体験価値を向上させる他、バーチャルヒューマンをオウンドメディアに配置し、ユーザーとのリアルタイムな音声対話を可能とするといったことも可能。企業のそれぞれの課題解決や新しい価値創造のため、音声対話によるパーソナライズされたコンテンツの提供を通じて、ユーザーの体験価値向上を目指す。

生成AIのパフォーマンスをさらに高めるためのプラットフォーム「∞AI Marketing Hub」

多様なデータを一元管理できる「データハブ」、データハブ内のデータを処理し目的に応じた最適なAIの選択・統合・制御を行う「AIハブ」で構成される。これらの2つの機能をシームレスに連携させることで、企業の広範なニーズに対応しながら最良のマーケティングパフォーマンスを生み出す。「∞AI（ムゲンエーアイ）」内のアプリケーションの基盤としてだけでなく、企業独自のサービス開発の基盤としても活用できる。

取材・文／峯亮佑