カーボンニュートラルや脱炭素によって起きているビジネス革命
笠原氏によれば、現在、カーボンニュートラルや脱炭素はビジネスにも大きな影響をもたらしており、革命とも呼ぶべき変革が必要となっているという。
「企業が環境への負荷を減らし、持続可能なビジネスモデルを追求する変革として、脱炭素ビジネス革命が求められています。再生可能エネルギー、エネルギー効率、サプライチェーンの持続性、クリーンテクノロジー、持続可能な製品の採用を中心として、気候変動への対策と市場競争力向上への課題にも対応しなければなりません。また環境法令に基づく規制への対応も必要です。『グレート・リセット(※)』を通じて、ビジネスの常識を見直すことから始める必要があります」
※これまで以上に持続可能で公平な世界経済を早急に作り上げるために、一度経済などをリセットする考え方
カーボンニュートラル検定とは?
2023年6月1日からスタートした「カーボンニュートラル検定」はオンライン試験形式の検定だ。
カーボンニュートラル・脱炭素のルーツおよび世界の運用ルールなど、カーボンニュートラルについて全般的・基礎的な知識を学ぶことができる。
試験の合格者はカーボンニュートラル・脱炭素に必要なアクションを正しく検討できる能力を持っていることを認定され、これからの社会に求められる「カーボンニュートラル人材」として重要な役割を担うことができるという。
●カーボンニュートラル検定の概要
・受験方式:CBT(日本全国各地の試験センターにて受験可能(要問い合わせ)団体受験 / マークシート方式
・出題数:50問
・回答形式:4問ラジオボタン / 4問チェックボックス
・試験時間:50分
・受験料:16,500円(税込)
・合格基準:100点満点中80点以上獲得で合格
・申込み先:http://www.cnkentei.jp/
受験資格は特になく、誰でも受験可能。合格することで人材としてどのようなメリットがあるだろうか。
「地球温暖化対策推進法に基づく政府の総合計画で、日本は2021年4月に、2030年度において温室効果ガス46%削減(2013年度比)を目指すことを表明しました。あと7年で削減するには、一人でも多くの人が正しい知識を習得し、いち早くアクションを起こさなければ実現できません。カーボンニュートラル検定取得はそれぞれが置かれた立場での迅速な課題解決に寄与します。
知識は力であり、検定取得者は企業において必要不可欠な人材となります。現在国内の企業数は368万社。私たちは脱炭素やカーボンニュートラル推進企業の社会ニーズを満たす人材の育成が、社会全体のカーボンニュートラル機運の醸成に最重要だと考えています」
カーボンニュートラル検定への合格を通じて、より社会ニーズを満たす人材としての価値を高めることができそうだ。
【取材協力】
笠原 暁(かさはら ぎょう)氏
1972年(昭和47年)東京生まれ、中小企業基盤整備機構、東京商工会議所をはじめとする日本各地の商工会議所にて、中小企業の国際展開ならびに海外販路開拓分野にて、専門相談員として従事。並行して、アメリカ国内各地の商工会議所にて海外ビジネス相談員として従事。
液体天然腐食酸 APEX-10 輸入販売権を取得し、農作物のオーガニック化・品質および収量向上による農家の収入増に寄与すべく日本各地で普及活動をしている中で、農地でのカーボンファーミング(二酸化炭素の土中貯留)の可能性に思い至り、実証実験を展開している。
【参考】環境省「脱炭素ポータル:カーボンニュートラルとは?」
文/石原亜香利