方法3|COUNTIF関数で重複回数を数える・印を付ける
重複行を機械的に消すのではなく「どの行が何回重複しているか」を可視化したい場合は、COUNTIF関数が便利です。COUNTIF関数は、指定した範囲のなかで条件に合致するセルの個数を数える関数で、書式は次のとおり。
書式:=COUNTIF(範囲,検索条件)
実務でよく使うのは、絶対参照と相対参照を組み合わせて「自分自身が範囲のなかで何回登場するか」を行ごとに調べるパターンです。たとえばB列に商品名が入っており、B2からB11までを調べたい場合は、隣の作業列に次の数式を入力します。
数式:=COUNTIF($B$2:$B$11,B2)
この数式をオートフィルで下までコピーすると、各行の値が範囲内で何回出現するかが返ってきます。結果が「2」以上のセルが、重複している行の目印です。範囲を$(絶対参照)で固定するのがポイントで、固定しないとオートフィル時に範囲がずれて正しい結果になりません(参照:Microsoft公式)。
IF関数と組み合わせれば、重複行に「重複」という文字を立てることもできます。
数式:=IF(COUNTIF($B$2:$B$11,B2)>1,"重複","")
これで、2回以上出現している行にだけ「重複」と表示され、1回しか出現しない行は空欄になります。
「重複」と表示された行だけを抽出して削除したい場合は、フィルター機能を併用するのが効率的でしょう。データタブの「フィルター」(ショートカットはCtrl+Shift+L)を有効にし、作業列のフィルターから「重複」だけを表示させたうえで、表示されている行をまとめて選択し、右クリック→「行の削除」で消すという流れになります。
COUNTIF関数は計算系の関数(小数点の切り捨てなど)と組み合わせて使う場面も多いため、関連する関数の使い方も併せて押さえておくと、データ整理の幅が広がります。
以下の記事で切り捨てに関する情報をまとめています。ご確認ください。

方法4|UNIQUE関数で一意のリストを自動抽出する
2021年以降のExcelをお使いなら、もっとも手軽でかつ元データを残せるのがUNIQUE関数です。UNIQUE関数は、指定した範囲から重複を取り除いた一意の値だけをリストとして返す関数で、Excel for Microsoft 365、Excel 2021、Excel 2024、およびExcel for the webで利用できます。Excel 2019以前では使用できない点に注意してください。
(参照:UNIQUE 関数 – Microsoft サポート)
書式:=UNIQUE(配列,[列の比較],[回数指定])
第2引数と第3引数は省略しても問題ありません。たとえばA2からA20までに顧客名が入っており、重複を除いた一覧を別の場所に表示したい場合は、空いているセル(たとえばC2)に次のように入力します。
数式:=UNIQUE(A2:A20)
これだけで、C2を起点に重複を取り除いた顧客名のリストが自動で表示されます。これは「スピル」と呼ばれる機能で、1つの数式から複数のセルへ結果が自動的にあふれ出る仕組みです。元のA列のデータには一切手を加えないため、後から「やっぱり全件のデータを確認したい」となっても安心して戻れるでしょう。
UNIQUE関数の最大のメリットは、元データが追加・変更されると一意のリストも自動で更新される点。日々データが増える売上記録や問い合わせログから、商品名や担当者名のマスタリストを自動で生成したい場面で力を発揮します。
抽出したリストをドロップダウンリスト(プルダウン)の選択肢として再利用すれば、データ入力のミスを抑えるリストもメンテナンスフリーで運用できます。プルダウン関連の操作で困った場合の対処法は別記事にまとめています。

方法5|Power Queryで大量データの重複を削除する
数万行を超える大量データや、毎月CSVを取り込んで重複削除するような繰り返し作業には、Power Queryが向いています。Power Queryはデータの取り込みと整形を自動化できる機能で、一度作った手順をテンプレートとして再利用できる点が強みです。
基本的な流れ
手順1.データタブの「データの取得」または「テキストまたはCSVから」などで、対象データをPower Queryエディターに読み込みましょう。
手順2.エディター上で重複削除の基準となる列を選択し、「ホーム」タブの「行の削除」→「重複の削除」をクリックします。
手順3.「閉じて読み込む」を選択すると、重複が削除された結果がワークシートに反映されます。
注意点
大文字・小文字の扱いがワークシートと異なります
Power Queryの「重複の削除」は、テキストの大文字と小文字を区別します。たとえば「ABC」と「abc」は別の値として扱われ、重複削除されません。これはMicrosoft公式ドキュメントにも明記されている挙動で、回避策として「重複の削除を行う前に大文字または小文字へ変換する」操作を挟む方法が紹介されています。
ワークシート上の「重複の削除」ボタンが半角英字の大文字・小文字を区別しないのに対し、Power Queryは区別するという違いを覚えておくと、想定外の挙動を避けられるでしょう。
(参照:重複する値の操作 – Power Query – Microsoft Learn)
並べ替えとの組み合わせ
Power Queryで重複削除を行うと、複数の重複行のうち上の行が残り、下の行が削除されます。最新の行を残したい場合は、削除前に並べ替えを行ったうえで「Table.Buffer」を使うのが一般的なため、慣れてから取り組むのがおすすめです。

フィルターオプションで重複を抽出して別の場所に貼り出す
「元データには手を付けたくないけれど、重複を取り除いた一意のリストを別の場所に作りたい」という場合は、フィルターオプション(詳細設定)が便利です。UNIQUE関数が使えない環境でも対応できます。
手順1.対象データの範囲を選択する
重複を取り除きたい範囲をドラッグで選択してください。
手順2.データタブから「詳細設定」を開く
「並べ替えとフィルター」グループにある「詳細設定」をクリックします。
手順3.抽出先を指定する
ダイアログで「指定した範囲」を選び、「抽出範囲」に貼り付け先のセル(たとえばE1)を指定しましょう。
手順4.「重複するレコードは無視する」にチェックを入れて「OK」を押す
これで、選択範囲から重複を除いた一意のリストが指定したセルを起点に貼り出されます。
元データを残したまま一意のリストを得たいだけなら、UNIQUE関数(方法4)の方が圧倒的にシンプルです。UNIQUE関数が使えない環境(Excel 2019以前)でも作業が必要なときの代替手段として押さえておくとよいでしょう。







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