■連載/コウチワタルのMONO ZAKKA探訪
技術の進歩はついにここまで来たか、という感じである。現代社会において、デジタル技術は確実に私たちの生活を根底から変えている。
筆記具の世界も例外ではなく、ノートやメモの作成においても紙のノートからデジタルノートへの移行は急速に進んでいる。ただ、そうは言っても私自身は、既存のデジタルノートの類は書き味がどうしても馴染むことができず購入を先延ばしにしていたのである。
しかし今回、初めて『Supernote A5X』という製品を購入してみて、その認識を改める必要があることを実感した。今回は使い勝手や実感も交えてこの革新的なデジタルノートについて紹介したいと思う。
『Supernote A5X』とは
『Supernote A5X』は、クラウドファンディングサイトMakuakeで1500万円以上の支援を受け、デジタルノートの世界的シェアを持つ「Ratta(ラッタ)」が発売した最新のデジタルノートである。
タッチディスプレイにスタイラスペンで書き込むことができ、手書きの文字や図形を高精細に記録することができる。日常的なメモからビジネスシーンまであらゆるニーズに対応し、複数のノートを持ち歩く必要がない点が利点だ。
購入時のセット内容はSupernote本体×1、スタイラスペン×1、カバー×1、Type-C USBケーブル×1、クイックガイド×1となっている。
デバイスのサイズは長さ245×幅178mmで、A4サイズよりも一回り小さい。
厚さはわずか7mmで、重量は375gと非常に軽量である。スタイラスペンもコンパクトで、長さ147×太さ10.7mm、重量約25gで、充電が不要である点がかなり便利だ。
0.7mmのペン先は繊細なタッチが可能で、セラミック素材でできたペン先は半永久的に使用できるためコストパフォーマンスも高い。
『Supernote A5X』は32GBのデータ容量を持ち、2MBの容量の本であれば約10,000冊を保存できる。一般的な小説では5,718冊、コミック本では376冊に匹敵する容量だ。
さらに、Supernote独自のクラウドやDropboxなどを使用すれば、さらに多くのデータを保存することも可能だ。バッテリー容量は3,800mAhで、使用頻度にも依存するが1週間に1.2回の充電頻度と考えればよいだろう。
『Supernote A5X』は高解像度E Inkディスプレイ「FeelWrite自己回復フィルム」を採用しており、紙のような柔らかい書き心地を実現している。また、PDF、JPG、PNG、EPUBファイルの閲覧、Microsoft Officeファイルの閲覧・編集も可能となっている。
更には、Kindleを搭載しており、電子書籍としても利用できるので別途電子書籍リーダーを携帯する必要がない点は大変嬉しい。私はデジタルノート、電子書籍リーダー、合唱の楽譜の閲覧の3つの機能をこの1台で済ませている。