家族やペットの供養にも見受けられる多様化の波が生んだ新しいジュエリー
ほんの数十年前まで、日本でも土葬が当たり前であった。
それが近代化によって火葬がこれに代わり主流となってからは、土葬全盛期に比べても墓地はかなり衛生的になった。
火葬後の遺骨に関しても、かつてはお墓に入れることが当たり前だったが、今では永代供養としてしかるべき場所に納めるという選択をとる人も増えている。これによって、わざわざお墓を用意する手間とも切り離された供養が可能となっている。
また、多くの宗教が共存しやすい土壌が培われた日本では、複数の方式の葬儀も市民権を得ており、元々供養に関しては非常に多様な価値観を認めるところでもあった。
そして現在、この供養にもまた新しい需要が誕生している。
それが手元供養だ。亡くなった大切な家族、またはペットの遺骨を自宅等で保管する形での供養を、手元供養と呼ぶわけだが、今回はまさに文字通りの“手元供養”を提案する、株式会社インラビングメモリーのサービス、「エンジェルプロミス」をご紹介したい。
この「エンジェルプロミス」とは故人。あるいはペットの遺骨を丁寧に加工し、普段から身に着けるジュエリーにするというサービス。
同種のアクセサリーはこれまでも樹脂を使ったものが存在していたが、「エンジェルプロミス」は製作に彩りの鮮やかなガラスを用いることで、旧来のアイテムよりもさらに美しい仕上がりが担保されている。
「エンジェルプロミス」の誕生経緯や、筆者が個人的に感じた疑問、質問について、株式会社インラビングメモリー常務取締役の関口真季子さんにお話を伺うことができたので、さっそく次項よりご覧いただきたい。
台湾で出会った革新的な美しいデザイン。交渉を重ねて独占契約し、日本に輸入。
松本 はじめに、インラビングメモリーさまの展開する「エンジェルプロミス」が発売された経緯を教えてください。
プレスリリースでは台湾で遺骨を用いたアクセサリーを発見し、独占契約を結ぶに至ったということですが、この辺りをもう少し詳しく伺いたいです。
関口さん 弊社では「DEARPET」というペットメモリアル専門店と、「Dear Family」という人の手元供養のショップを運営しております。
「DEARPET」としましては、5年ほど前から台湾のペットブームに注目しており、進出の機会を伺っていました。コロナの影響で延期しておりましたが、昨年、改めてペット用品展示会と、ペット霊園、(人の)葬儀場、供養品などを調査している中で、「エンジェルプロミス」と出会いました。
日本では見たことのないファッション性の高いデザインに心を打たれ、すぐにショールームに伺いました。現地の社長とお話をしたところ、日本進出にも大変意欲的であることがわかりました。
とはいえ、別の国の会社ですので、お互いに信頼できるのか確認することも必要でした。月に1度は現地に足を運び、実際に作っている工房やオフィス、パッケージ工場に至るまで確認し、交渉を重ね、独占契約を結ぶに至りました。