今回も抜け穴がありそうな割引制限
房野氏:端末単体販売の割引、いわゆる「白ロム割り」は禁止されないんですか?
石野氏:禁止はできない。そんなことをしたら、逆に総務省が公正取引委員会に指摘されちゃいます。
房野氏:そうなると転売ヤーの問題はどうなるんですか?
法林氏:決着はつかないですよ。だから、割引の原資が日本ユーザー、日本の携帯電話会社のお金が原資なので、海外に転売される可能性がある端末は割引禁止、だからiPhoneは割引禁止(笑)
石野氏:確か、割引は総額で4万円という話になるはずなので、白ロムと回線をセットにする場合は一応総額で4万円になる。端末を単体で買う場合の割引は自由なはずなんですけど、契約に紐付けると4万円になっちゃうので、そうすると白ロム割引なんてやらなくなるんじゃないかなって気がしますね。
法林氏:回線があろうがなかろうが、5万円の端末を3万円で売りますっていったら、誰に売る時も3万円で売るっていうのが今のルール。ということになると、いくらでも転売できることになる。
石野氏:回線に紐付けた時を4万円にするっていう感じですね。今は端末単体の割引は自由で、回線紐付けは2万円。今度は全部4万円になって、端末単体を割り引くっていうロジックは認めませんっていう話だったような気がします。
ただし、SIMのみ契約のキャッシュバックは許されます。たぶん抜け穴としては、契約情報を一切紐付けさせず端末単体だけで買わせて、隣のお店で「SIMを契約してきてください」っていう感じで三店方式が成り立つかなという感じがしますね(笑)
石川氏:ソフトバンクで端末を買って、Y!mobileで契約する、みたいな感じ。
房野氏:そうするとどちらでも割引が得られると(笑) ところで、MVNOがMNPの踏み台にされるという件、あれは解決されそうなんですか?
法林氏:いや、踏み台にされちゃうでしょう。
房野氏:今回の報告書を見ていると、結局あまり変わらないんじゃないかと思ってしまって、これでいいのかなって思うことばかりでした。
石川氏:だからもう、諦めなと。
房野氏:石川さんはずっとそういう意見ですね。でも、せっかく何度も検討会を開いて、あんな長い報告書を上げるのだから、成果があるといいと思うんですが。
石川氏:仕事をしていることを示さないと。まぁ、キャリアは振り回されているなってところですよね。
法林氏:一番大事なのは原理原則を作ることです。それができてない。1番シンプルな原則を作ること、それができていない状態だから、結局、今回もパッチを当てて、穴をふさいで、みたいなことになっている。