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スマホの割引上限が4万円に引き上げ、ユーザーにとってそれは得なのか?

2023.09.03

割引はなぜみんな同じ金額?

石川氏:20万円の端末を買ったり、使い放題プランを契約したりしたら、もうちょっと割引してよって感じですね。

法林氏:料金次第なところってあるよね。

石川氏:航空会社の特典と同様に、お金をいっぱい払っている人を優遇して、そうじゃない人はそれなりでいいんじゃないかと思う。なぜみんな一律で規制がかかるのかってことですよ。

石野氏:アメリカは、割引の仕方を見ると、そんな感じですよね。日本はちょっと真面目すぎるというか、平等主義に染まっているというか。

法林氏:有識者もそうだよね。昔ながらのルールに縛られている感もあるので、もうちょっと実情をご理解いただいた上で提言してほしい。大盛りの方が安いんですよってことは理解してもらわなきゃいけないし、数の制限はあるにしても、たくさん回線を持っている人を割り引くのは普通でしょう。

石野氏:キャリアにとっては、2万円くらいの動きがカクカクしている端末よりも、開くと大画面になって動画も電子書籍もなんでも見てくれる端末の方が、当然通信を使ってくれるわけじゃないですか。そうすると無制限プランに入る可能性も高くなるわけで、フォルダブルのような大画面端末は割引しましょうとか、処理能力が速い端末ほどより通信をするので、そちらを安くしましょうとかっていうロジックは成り立つ。本来あるべきはこういう姿だと思いますね。

法林氏:1年間無制限プラン使った人は、本来2万円の端末割引だけど、もう2万円引きます、くらいのことを言ってもいいじゃないですか。それができないのはおかしな話ですよ。

石野氏:なぜ料金プランに応じた割引がダメなんだろうとは、ちょっと思います。

石川氏:dカード GOLDだって、年間100万円以上使ったら1万円の商品券、200万円以上使ったら2万円の商品券がもらえる。年間これだけの通信料を払ったら○万円の商品券をもらえるっていうのもいいと思う。

dカード GOLD

房野氏:やっぱりあの割引額を導き出した計算式が……ってあれを提案したのはドコモでしたね。

法林氏:あの計算式を出したのが最初の間違い。あんな計算式は出さなければよかったのに(笑)

石川氏:ああいう提案を出せと総務省が言ったのかもしれないです。総務省からは出せないので。ドコモの提案として出してほしい、みたいなシナリオが描かれていた可能性もあります。

石野氏:あの計算式も、なんで「平均」なんだろうね。

房野氏:そうなんですよ、1人の平均だっていいじゃないですか。「私の」平均ARPU×営業利益率の平均×端末の平均使用年数でいいのに。

石野氏:そういうところに日本の悪しき平等主義が出ている感じがすごいする。

法林氏:そうかもね。

石野氏:月額500円しか払ってない人と8000円払っている人をならして真ん中で計算してるわけじゃないですか。8000円の人は8000円で計算して、その分の割引額を出せよっていう話なんですよ。

石川氏:税金もそうやるか? って話ですよね。みんなの所得を1つにまとめて平均を取って、「じゃあみんな平等に同じ税金を払って」と言っているのと同じ。

石野氏:そうすると、所得税だとしたら、安くなる人から不満は出ないんですけど、高くなる人からは当然不満が出る。真ん中を選んでいるっていうことは、半分くらいの人は不満に思うわけで、端末割引もそう。平均を取っちゃうといっぱい払っている人、使い放題で使っている人からは「もっと出せよ」っていう話になっちゃう。あそこで平均をとる必要はなかったんじゃないかなと思います。

法林氏:おっしゃる通りですね。4万円とは言わないけど、2万円をミニマムとしておいて、年間ドコモで100万円払っている人はもう2万円引きますよ、でもいいし。

石川氏:そうですよ。年間で支払っている通信料の何パーセントとかにしてほしいな。

石野氏:その方がシンプルな気がする。

法林氏:わかりやすいよね。毎年12月になったら「ヤバいな、今月たくさん使わなきゃ」ってことになったりして(笑)

……続く!

次回は、ドコモの通信品質改善について会議する予定です。ご期待ください。

法林岳之(ほうりん・ たかゆき)
Web媒体や雑誌などを中心に、スマートフォンや携帯電話、パソコンなど、デジタル関連製品のレビュー記事、ビギナー向けの解説記事などを執筆。解説書などの著書も多数。携帯業界のご意見番。

石川 温(いしかわ・つつむ)
日経ホーム出版社(現日経BP社)に入社後、2003年に独立。国内キャリアやメーカーだけでなく、グーグルやアップルなども取材。NHK Eテレ「趣味どきっ! はじめてのスマホ」で講師役で出演。メルマガ「スマホで業界新聞(月額540円)」を発行中。

石野純也(いしの・じゅんや)
慶應義塾大学卒業後、宝島社に入社。独立後はケータイジャーナリスト/ライターとして幅広い媒体で活躍。『ケータイチルドレン』(ソフトバンク新書)、『1時間でわかるらくらくホン』(毎日新聞社)など著書多数。

房野麻子(ふさの・あさこ)
出版社にて携帯電話雑誌の編集に携わった後、2002年からフリーランスライターとして独立。携帯業界で数少ない女性ライターとして、女性目線のモバイル端末紹介を中心に、雑誌やWeb媒体で執筆活動を行う。

構成/中馬幹弘
文/房野麻子

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