細部にまでこだわったパッケージ
味はもちろん、多くのユーザーに手に取ってもらうため、パッケージは紅茶とミルクが混ざり合う様子をイラストで表現。「どういった混ざり加減ならすっきりとした味わいを感じてもらえるか」を細かく検証したという。また、パッケージに「背の高いグラス」のイラストを採用することで、すっきりゴクゴクと飲める印象を与えたかったという。
「無糖ミルクティーは、味がベタベタしておらず、すっきりしているところがポイントです。一般的なミルクティーとして想像されるのは、しっかりと甘さのあるもの。手に取っていただいたお客様をがっかりさせないためにも『すっきりとしている無糖のミルクティーであること』を、パッケージで分かりやすく伝えられるデザインにする必要がありました」(佐々木さん)。
発売前からSNSで反響を呼んだ話題の商品
8年の開発期間を経てようやく完成した、おいしい無糖ミルクティー。発売後の消費者からの反響について佐々木さんはこう話す。
「商品発表時から、SNSでは普段よりも多くの方に反響をいただきました。発売前から『待ってました!』というような声も多かったですね。カフェやティースタンドでは無糖のミルクティーが飲めるのに、ペットボトルの商品にはないというギャップをお客様も実感されていたんだとわかり、開発して良かったなと発売前から思いました」(佐々木さん)。
ビジョンを明確にして、それを共有する
これまで市場にはなかった無糖のミルクティーの開発において、佐々木さんはさまざまな学びがあったと振り返る。
「今回の開発で、『考え抜くこと』『ビジョンをしっかり示して行動すること』の重要性を実感しましたね。考え抜けば考え抜くほど、新しいハードルがどんどん見えてきました。ただ、そのハードルを乗り越えれば、成功確率がどんどん高められると実感できたんです。今回、営業部門やマーケティング部門、生産管理、調達商品開発研究所などさまざまな部門の協力を得ながら進めていきました。その際は、僕らがやりたいこと、成し遂げたいことをしっかりと明確にし、ビジョンを伝えていくことが重要でした。大きな組織が、成功に向かってみんなで動いていく姿をしっかりと感じられた開発でしたね」(佐々木さん)。
多くの方に紅茶の魅力を伝えて日常を豊かにしていきたい
佐々木さんは、おいしい無糖ミルクティーの開発担当者として、今後の展望を語った。
「発売から好評をいただいているものの、まだまだ飲んでいただいてないお客様もたくさんいらっしゃいます。そういった方々に、この商品の良さを知っていただき、飲んでいただく機会をもっと作っていきたいです。また、おいしい無糖ミルクティーだけでなく、午後の紅茶として、お客様にもっともっと紅茶を飲んでいただき、紅茶のある豊かな生活を楽しんでいただきたいですね。新商品も含めて楽しんでいただきながら紅茶の魅力、紅茶の価値をお客さまに感じていただけるような活動をしていければと思っています」(佐々木さん)。
最後に、佐々木さんの考える「おいしい」の定義について伺った。
「『おいしいは味だけじゃない』と思っています。飲んで美味しいと感じたとき、その美味しさを家族や友達と共感し合いますよね。商品自体の美味しさだけでなく、そこで繋がる輪や生まれる空気感、雰囲気にも派生していくものです。水やお茶にはない香りや美味しさを感じていただける部分が紅茶の特徴だと思っています。お客様の日常を、その美味しさで少しでも豊かにしていきたいです」(佐々木さん)。
取材・文/久我裕紀