リアル出勤とリモート/オンライン対応について
――それでは最後に、コロナ5類移行後の今、全面的にリアルな出勤形態に戻すのが良いか、いわゆるハイブリッド形態としてリアル出勤とリモート/オンライン出勤にした方が良いのか、戸村先生はどうお考えですか?
戸村先生 私自身は、コロナ渦中にDX推進型オフィス移転にて、基本的に、感染症や地震などの災害や疾病などに備えて、フルリモート体制を敷いて参りました。
また、これまで公表を避けておりましたものの、先日、妻が私に仕事で体験談を話して社会に役立てて欲しいとのことでしたので、以下について触れておきますね。
妻が2022年に大腸がん摘出手術・がんのショックで急性一過性の精神疾患での加療などをしてから、「おうち入院」として私が育児・家事なども引き続きフルサポート中です。感染症対策だけでなく、ムダな移動時間や手間を徹底的にカットして妻子に寄り添えるようにするため、今もリモート/オンライン対応をメインにしています(リモート/オンライン9割・リアルな場所に行っての対応1割くらいの配分です)。
お子さん・ご家族のためにお料理(写真はパエリア)にも取り組まれる戸村先生
製造業やサービス業や飲食を含む宿泊業などでは、リアル出勤でないと対応できない業務もあり、各企業さまがどのようにニューノーマルに向き合うかお悩みのところもあるでしょう。
ただ、私の公私における方針としても、また、SDGs・ESGや業務効率性やレジリエンスなどの観点、さらに、心身の障がいや傷病(例えば、誰でも直面し得る足の骨折など)などの観点も考慮してみますと、当然に、生き働く上での意味のある選択肢が多様である方が良いように思います。
経営者・役員や管理職の方々の中には、ニューノーマルに十分に適応できず、目の前で何もしてなくても会議でお利口に座っている様子が、リアルに目の前で見えたら「良し」となさる方が少なからずいらっしゃいます。
また、コスト削減を声高に叫ぶ割に、往復の交通費や通勤という心身の労災リスク(社会保障費などのコスト要因も含む)や、時間のムダや心身ともに過酷な通勤ラッシュなどのムリを通したりすることを、積極的に「良し」とするかのような方々もいらっしゃいます。
家庭内の居場所の問題か、「会社にいること」が無条件に素晴らしいとする方もいらっしゃったりもします。各社のSDGsやESGや多様性の尊重と受け入れあいの取り組みが、出勤の仕方にも如実に表れているようにも見受けられます。
絶対こうしなければならない、という法令がない分、各社の人権・多様性・災害への備えなどの考え方や取り組みが多様に表れてくる面があります。
そういったことと同時に、憲法にある「職業選択の自由」への個々人の対応も多様ですので、自分に合ってムリなくムダなく長続きして理にかなったお互いに幸せになりあう生き方・働き方を、読者の「みなさまご自身のサステナビリティ」と照らし合わせて、改めて見つめ直してみる契機とするのも良いのかもしれません。
ありがとうございました!
戸村 智憲(とむら とものり)先生
日本マネジメント総合研究所合同会社 理事長
早大卒。米国MBA修了。米国の博士後期課程(Ph.D)中退。国連の専門官として活動し、民間企業の役員レベルでは人事総務統括や監査統括、経営行動科学学会の理事や岡山大学大学院の非常勤講師として教鞭、上場IT企業の顧問・アドバイザー・ソフトウェア監修や、JA長野中央会の顧問なども歴任。Google元社長との国際会議場での人工知能特別対談や、世界初でリスク管理指標KRIの提唱をはじめ、日本発・世界初の取り組みも多数。指導内容は基本的に自ら実践してお届けするスタイルにて、経営者として1年間の育休も取得し、現在も育児・家事・仕事に取り組み中。NHK「クローズアップ現代」やフジテレビ「バイキング」などTV・ラジオ出演や雑誌寄稿・連載など多数。米国連邦航空局自家用飛行機パイロット、第一級小型船舶操縦士、第三種放射線取扱主任者資格、テロ対策国際ライセンス、公認不正検査士(CFE)なども保有。
戸村先生のプロフィールや世界初の取り組みや幅広い活動の詳細などやオンライン名刺交換は、下記URLのページをご参照下さい。
URL:https://www.jmri.co.jp/tomura.html
オンライン名刺交換
文/柿川鮎子