4WDモデルは専用タイヤとサスペンションを採用する
その上で、「デリカミニ」最大の特徴と言えるのが、4WDの特別仕立て。デリカの名に恥じないオンロードはもちろん、オフロードの乗り心地や操縦性を確保するため、タイヤはスーパーハイト軽自動車最大サイズの165/60R15サイズとなり、さらにショックアブソーバーを「デリカミニ」用に専用チューニング。ライトな悪路、キャンプ場などにあるジャリ道、そして雪道の走行もこれなら安心、安全というわけです。
高速道路同一車線運転支援機能のマイパイロットも用意
さらに、高速道路同一車線運転支援機能のマイパイロット(日産で言うところのプロパイロット)、電動パーキングブレーキ&ブレーキオートホールド機能を用意。そして今や新車に必須のASC(アクティブスタビリティコントロール)の装備はもちろんとして、SUV、クロスオーバーモデルに不可欠なヒルディセントコントロール(アウトドアの険しい傾斜、急なスロープなどを下るとき、スイッチを「ON」にすることでクルマがブレーキを制御。車速を約4~20km/hの範囲でコントロールしてくれる機能。
ハンドル操作に集中できるため、安心して下ることができる)、ヒルスタートアシスト(HSA/ブレーキペダルからアクセルペダルに踏みかえる間、ブレーキを最大2秒間保持。坂道発進でのクルマの後退を防いでくれる機能)、グリップコントロール(雪道やぬかるんだ路面で片側の駆動輪が空転した場合、スリップした駆動輪をブレーキ制御し、路面をグリップしている駆動輪の駆動力を確保して、発進をサポートしてくれる機能)などが用意され、グリップコントロールは三菱独自の制御技術に基づいたチューニングが施されているというのですから、なんとも先進的かつ心強いオールラウンダーな1台が「デリカミニ」と言えるでしょう。
わが家にやってきた「デリカミニ」は、ナチュラルアイボリーメタリック/ブラックマイカの2トーン(有償色)に塗られた、上級グレードのT Premiumの4WDモデルでした(Tはターボエンジン搭載の意味)。
NAエンジンのG Premiumを含むPremiumグレードは、標準グレードのT/Gの充実すぎる装備(LEDヘッドライト、ルーフレール、本革巻ステアリング、助手席シートバックの充電用USBポート、運転席&助手席シートヒーター、フルオートエアコン、運転支援機能のe-Assistなど)に加え、撥水シート生地&PVCシートバック、樹脂ラゲッジボード&PVC後席シートバック、本革巻ステアリングヒーター、助手席側に加えて運転席側電動スライドドア(イージークローザー付ハンズフリーオートスライドドア)、マルチアラウンドモニター(移動物検知機能付)、そしてレーダークルーズコントロール(ACC)、車線維持支援機能(LKA)を含む高速道路同一車線運転支援機能のマイパイロット(MI-PILOT)、電動パーキングブレーキ&ブレーキオートホールド、極めてドッグフレンドリーな装備(具体的な理由は後編でララが解説)とも言えるリヤサーキュレーター、リヤロールサンシェードなどを完備。
4WDの場合は全車、タイヤが2WDの155/65R14+スチールホイール、または165/55R15+15インチアルミホイールから165/60R15+アルミホイールにサイズアップされるのも「デリカミニ」ならではの特徴です。
荷物の積載力に驚きを隠せない
さて、出発に先立ち、前席に夫婦、後席片側に、小型犬のララが安全かつ快適にドライブを楽しめるようにフィカゴーフリッタプラスというキャビンと車体本体が分離できるペットカートのキャビンを設置した上で、オートキャンプ場、リゾート滞在のための荷物を積み込むことにしたのですが、それを見ていたララが「わが家の今回の大荷物、デリカミニのラゲッジルームに積むのは無理そうわん」と発言。
たしかに、身長172cmのボクのドライビングポジション背後で最大400mm!!もの膝周り空間(頭上空間は250mm!!)のゆとりが出現する後席居住空間を生かす後席スライド位置後端状態では、ラゲッジルームのフロアは奥行き290mm、幅885mmと、今回、持っていく夫婦それぞれ用の機内持ち込みサイズのキャリーケース(総外寸高さ540×幅365×奥行き230mm)ふたつと、愛犬用のソフトバッグ、そして夏の熱い路面で犬を歩かせずに済み、「床は歩かせないでね」という条件付きの飲食店などでもペット同伴が可能になるペットカート(キャビンと車体本体が分離でき、キャビンを後席に設置できるタイプ。車体本体の寸法は高さ555×幅530×奥行き330mm)の車体本体など、入りそうもありません。
しかし、アウトドアにもうってつけな「デリカミニ」の荷物の積載性を侮ってはいけません。ポイントは、後席が左右別々に、スーパーハイト系軽自動車最大の320mmものスライド量をもっていること。今回は、後席にララだけが乗車するため、後席スライド位置を最前端位置までスライドさせてみると、ラゲッジルームの奥行きは、なんとこれまたスーパーハイト系軽自動車最大の約660mmまで拡大できるのです。
結果、高さ=最大長540mmの機内持ち込みサイズのキャリーケースを縦方向に倒して積み込んでも、ラゲッジルームの奥行き方向は余裕の余裕。手前に120mmほどのスペースが余っているほどでした。で、キャリーケースふたつ、ララ用のソフトバッグ、ペットカートの車体本体を横並びに積み込んでも、高さ方向を含め、まだまだ荷物を積めそうなほど。
写真には写っていませんが、キャリーケースの上にアウトドア用のコンパクトなテーブル&チェア、Mサイズのクーラーボックスを乗せても、後席シートバック上端の下で収まったのでした。320mmの後席スライドによって、軽自動車にして、驚愕の荷物の積載性を示してくれたというわけです(手持ちバッグ、お散歩バッグなどは後席片側に置きました)。
「いやいや、うちはアウトドアに出掛ける際、もっと荷物があるぞ。リヤウインドーの視界を遮ってしまうぐらい積み込んでしまう」というあなた、ご心配なく。Premiumグレードにはデジタルルームミラーが装備され(T/Gグレードにオプション)、万一、リヤウインドーの視界の一部を遮ってしまうほどの荷物をラゲッジルームに積んだとしても、ルームミラーからの後方視界はバッチリ確保されるのですから(リヤカメラ映像のため)。