CBX400Fの価格推移から市場動向を考察
同じCBX400Fでも、流通台数が少なく希少価値の高いCBX400FⅡ型は2023年に入りさらに値を上げ、450万円超となっている。
その一方で逆輸入車は横ばいの200万円程度、Ⅰ型は2021年から60万円以上値下がりして164万円程度だ。
値が上がらない逆輸入車とⅠ型の共通点としては、流通台数が比較的多いことが挙げられる。また流通台数が多いことでレストアを要する状態の悪い車両も割合として増え、平均価格を引き下げる要因にもなり、同じ逆車・Ⅰ型の中でも状態による価格差が広がっている。
2021年の「旧車であれば良し悪しに関わらず高騰する」という状況から、状態が悪い車両は需要低下に伴い価格が低下。そして希少価値が高く状態が良い車体は価格上昇を続ける、いわば「二極化」が進むことが考えられる。
今後はしっかりと整備・レストアされた車両はさらに価値を高め、そうではない車両との価値・価格の差がさらに大きくなっていくと予想される。
バイク未来総研所長 宮城光氏の分析
2023年4月までの各種データからは、2021年には世相と相まって旧車価格が爆発的に上がったものの、今後は状態の良くないバイクはそれなりの取引がされ、状態の良いバイクはさらに引き合いが強まる時代となっていくように思われます。
新車供給の動向や今後の世界情勢にもよりますが、コロナウイルスも5類となり、様々な行動制限が解除された現状においては、中古バイクの需要は一定数見込めるため、中古バイクの価格は2022年と同水準か、そこから緩やかに上昇していくのではないでしょうか。
コロナ禍によりバイクの価値が見直され、ソロキャンプのように需要が定着して、状態の良いバイクが多く流通するようになるのであれば業界全体の活性化にもつながりますので、バイク業界に身を置く身として大変喜ばしいことと感じます。
今後の推移を見守っていきたいと思います。
関連情報
https://www.8190.jp/bikelifelab/notes/bikefuture/
構成/清水眞希