高いTensor G2の性能、AI機能やカメラも優秀
ミッドレンジモデル並みの6万2700円ながら、チップセットにはPixel 7や7 Proと同じグーグルのTensor G2が採用されている。メモリの容量もPixel 7と同じ8GB。これだけが要因にはならないものの、レスポンスはハイエンドモデルと比べてもそん色ない。サクサク感では、ミッドレンジモデルがかなわないレベルと言えるだろう。ベンチマークアプリでも、その性能の高さが証明できる。
「Geekbench 6」で計測したスコア。上位モデルとそん色ない性能だ
こうしたTensor G2の実力を生かしているのが、AIを駆使した機能だ。ほかのスマホにはない珍しい機能として挙げておきたいのが、レコーダー。上位モデルと同様、Pixel 7aも日本語による文字起こしに対応しており、録音したそばからその言葉がテキストに変換されていく。英語と比べると、精度面にはまだまだ課題もあるが、何が話されていたかはわかる程度にまでテキスト化されるため利用シーンは多い。
音声入力も、AIを応用した機能だ。Pixel 7aの音声入力は、キーボードとシームレスに切り替えることができ、入力もスピーディ。しかも、この音声処理は、すべて端末上で行われている。ネットワークにつながらないため、音声がクラウドに上がる心配がないのはうれしいポイント。プライバシー重視のためのオンデバイス処理と言えるだろう。
先に述べたとおり、ハードウエアは上位モデルより性能を落としている一方で、カメラの仕上がりはいい。ここにも、Tensor G2の力を生かされている。特に夜景を撮影した時の写りのよさが顕著で、上位モデルのPixel 7やPixel 7 Proと見分けがつかないほど、美しい写真が撮れる。スマホ、特にミッドレンジモデルが弱い暗所の処理を向上させている点は、高く評価できる。
ホワイトバランスも正確性が高く、料理などを撮るのにも向いたカメラと言える
また、超解像ズームでは、望遠カメラなしで最大8倍のズームを実現している。広角カメラを8倍まで拡大したものだが、劣化が非常に少なく、ディスプレイに等倍で表示するぶんには十分なクオリティに仕上がる。拡大すると、さすがにあらは目立ってくるが、デジタルズームとは思えないほどのレベルで、実用性も高い。AIによってコストダウンを図ったハードウェアを補い、上位モデル並みの性能を実現しているのがPixel 7aの真骨頂だ。
超解像ズームに対応しており、望遠カメラは非搭載ながら、最大8までズームできる